夜のダッシュ
独特な幸福感
定期的に那智さんの用事にお付き合いしている。
用事①は同行して、用事②は同行したりわたしが一人でこなしたり。
用事①はわたしの地元からは遠く那智さんのおうちに近く、用事②はわたしのほうが近い。
だから、時々用事②はわたしが一人でこなすこともあるのだ。
だいたい毎月①と②一回ずつくらいある。
ある日、①と②の両方を1日で行うことがあった。
まずわたし一人で②をこなし、電車を乗り継いで那智さんと合流して①をこなす。
①に遅れるわけにはいかないから早めに②に向かうことにすると、なんだかんだ1日仕事になってしまう。
いつも①が終わった後、決まった回転寿司屋さんで軽く食事をして別れるのだけど、この日はなんとなく、わたし『大変』って思っちゃったんだ。
自分ちから近い②から遠い①へ移動して、那智さんのことを待ち、①を終えて食事をして、また時間をかけて帰る。
翌日には那智さんとお休みデートだったから、よけいにそう感じたのかもしれない。
朝になって、ふと『大変』って思っちゃって夜のお食事はパスしてもらうかもしれないと言ってしまった。
(「夜になったら、やっぱり食べ飲みしたい!って思うかもしれないけど」といちおう断言はせず→楽しいことに弱いから)
早く帰らなきゃいけない理由はない。
回転寿司で軽くだからたかだか30分程度のことだ。
だから、具体的に食事うんぬんが問題なんじゃないんだよね。
那智さんの用事をふたつこなす、そのうち一つは一人で、そして、時間をかけて帰る。
役に立つのは嬉しいし、那智さんに会えることも嬉しいのだけど、わたし『大変』!!って那智さんに労って欲しくて甘えたんだ。
言いながら気付いて、会話の最後には「甘えているんです」と伝えた。
まあ、翌日も会うし、そういう日もあるかなと『甘えている』ことを自覚した後も、今日はお食事しないで帰ろうと思っていた。
②が思いの外早く終わり1時間以上かけて①に向かう。
那智さんとの合流までしばらくあるから、お気に入りのカフェで待つ(この時間、好きだから『大変』とか、本当は思ってないのだよね)
那智さんと合流して①をする。
これはだいたいいつも1時間くらいかかる。
そこから回転寿司屋があるターミナル駅まで在来線で一駅なんだけど、この在来線が10分に1本ペースなので一本逃すと、ちょっと待つことになるから、用事が終わりそうなところでこそっと時刻表を調べてみた。
あと10分くらい。
これに乗れたらいつもより1本か2本早い。
なんとなく、お食事してもいいかなという気持ちになれる。
もうほとんど用事は終わっているのだけど、最後の詰めでじりじり時間を食っていた。
難しいかな、そうなるとプラス10分か。
用事が済んで外に出て那智さんに
次、7分です、そのあとは17分
時計を見ると5分、あと2分しかない。
駅はすぐそこだけどエスカレーター上がって改札通って、さらにまた上がってって考えると無理かなって感じだった。
無理かな
那智さんもそういう。
時計をもう一度ちらっと見た。
きっと同じ電車に乗るであろう会社帰りの人たちの流れの中。
走ろう
那智さん、走り出した!!
いや、無理じゃないですか!?
振り返りわたしを気にしてくれながら人々をすり抜ける。
冷えた夜道、運動不足のわたしは必死についていく。
無理です、那智さん、乗れなかったら悲しくなりそう
そんなことを呟きながら。
改札を抜け、ホームに向かうエスカレーターを駆け上がる。
太ももに力が入らない、息が上がる(ああ、本当運動不足。。。)
乗れなかったらきっと悲しくなる。
悲しくなって那智さんに迷惑かけたくない。
電車が入ってくる音が聞こえた。
ああ、間に合った。
ホームに上がったと同時に電車のドアが開き、そのまま滑り込んだ。
はあはあと息が乱れるけど、嬉しい。
那智さん、乗れましたね!!
ああ、よかった
気分よい。
運動したし。
10分早いし。
那智さん、回転寿司、行っちゃいますか!?
ああ、わたし、単純^^;
いいよ~
いい気分になっちゃっいました(笑)
そうなるかなと思ったところもあって走ったんだ
そうなのですか?
うん、乗れても乗れなくても、楽しくなるって思ったの
おそらく、那智さんの目的は『一緒に食事をする』ではないのだろう。
一緒に走ることでりん子の気分を楽しくすることができると思ったのだ。
(乗れなかったら悲しくなりそうに思うんだけど)
1日那智さんの用事に付き合ったわたしに『楽しい』思いをさせてくれたのだ。
その結果、一緒に回転寿司を食べられたらなおよしだった思うけど。
ああ、いいな~。
那智さんの思惑にまんまと乗せられる。
しかも、わたしがいい気分になって。
那智さんのこういうところ、やっぱりお父さんである。
相変わらず優しい人だ。
おかげさまでいい気分で回転寿司をいただきました。
これ、もし乗れてなくても那智さんは『楽しくなる』算段ついていたのかな。
わたしは自分が悲しくなってどんよりしちゃうって思っていたんだけど。
どうですか、那智さん。
「等式」「夜のダッシュ」感想です。会っている時間を楽しみたい。無駄な時間も意図して使う感性を忘れたくない。私の「お使い」をしてくれるりん子に感謝とお礼を込めてー。あほあほカップルです。(笑)
定期的に那智さんの用事にお付き合いしている。
用事①は同行して、用事②は同行したりわたしが一人でこなしたり。
用事①はわたしの地元からは遠く那智さんのおうちに近く、用事②はわたしのほうが近い。
だから、時々用事②はわたしが一人でこなすこともあるのだ。
だいたい毎月①と②一回ずつくらいある。
ある日、①と②の両方を1日で行うことがあった。
まずわたし一人で②をこなし、電車を乗り継いで那智さんと合流して①をこなす。
①に遅れるわけにはいかないから早めに②に向かうことにすると、なんだかんだ1日仕事になってしまう。
いつも①が終わった後、決まった回転寿司屋さんで軽く食事をして別れるのだけど、この日はなんとなく、わたし『大変』って思っちゃったんだ。
自分ちから近い②から遠い①へ移動して、那智さんのことを待ち、①を終えて食事をして、また時間をかけて帰る。
翌日には那智さんとお休みデートだったから、よけいにそう感じたのかもしれない。
朝になって、ふと『大変』って思っちゃって夜のお食事はパスしてもらうかもしれないと言ってしまった。
(「夜になったら、やっぱり食べ飲みしたい!って思うかもしれないけど」といちおう断言はせず→楽しいことに弱いから)
早く帰らなきゃいけない理由はない。
回転寿司で軽くだからたかだか30分程度のことだ。
だから、具体的に食事うんぬんが問題なんじゃないんだよね。
那智さんの用事をふたつこなす、そのうち一つは一人で、そして、時間をかけて帰る。
役に立つのは嬉しいし、那智さんに会えることも嬉しいのだけど、わたし『大変』!!って那智さんに労って欲しくて甘えたんだ。
言いながら気付いて、会話の最後には「甘えているんです」と伝えた。
まあ、翌日も会うし、そういう日もあるかなと『甘えている』ことを自覚した後も、今日はお食事しないで帰ろうと思っていた。
②が思いの外早く終わり1時間以上かけて①に向かう。
那智さんとの合流までしばらくあるから、お気に入りのカフェで待つ(この時間、好きだから『大変』とか、本当は思ってないのだよね)
那智さんと合流して①をする。
これはだいたいいつも1時間くらいかかる。
そこから回転寿司屋があるターミナル駅まで在来線で一駅なんだけど、この在来線が10分に1本ペースなので一本逃すと、ちょっと待つことになるから、用事が終わりそうなところでこそっと時刻表を調べてみた。
あと10分くらい。
これに乗れたらいつもより1本か2本早い。
なんとなく、お食事してもいいかなという気持ちになれる。
もうほとんど用事は終わっているのだけど、最後の詰めでじりじり時間を食っていた。
難しいかな、そうなるとプラス10分か。
用事が済んで外に出て那智さんに
次、7分です、そのあとは17分
時計を見ると5分、あと2分しかない。
駅はすぐそこだけどエスカレーター上がって改札通って、さらにまた上がってって考えると無理かなって感じだった。
無理かな
那智さんもそういう。
時計をもう一度ちらっと見た。
きっと同じ電車に乗るであろう会社帰りの人たちの流れの中。
走ろう
那智さん、走り出した!!
いや、無理じゃないですか!?
振り返りわたしを気にしてくれながら人々をすり抜ける。
冷えた夜道、運動不足のわたしは必死についていく。
無理です、那智さん、乗れなかったら悲しくなりそう
そんなことを呟きながら。
改札を抜け、ホームに向かうエスカレーターを駆け上がる。
太ももに力が入らない、息が上がる(ああ、本当運動不足。。。)
乗れなかったらきっと悲しくなる。
悲しくなって那智さんに迷惑かけたくない。
電車が入ってくる音が聞こえた。
ああ、間に合った。
ホームに上がったと同時に電車のドアが開き、そのまま滑り込んだ。
はあはあと息が乱れるけど、嬉しい。
那智さん、乗れましたね!!
ああ、よかった
気分よい。
運動したし。
10分早いし。
那智さん、回転寿司、行っちゃいますか!?
ああ、わたし、単純^^;
いいよ~
いい気分になっちゃっいました(笑)
そうなるかなと思ったところもあって走ったんだ
そうなのですか?
うん、乗れても乗れなくても、楽しくなるって思ったの
おそらく、那智さんの目的は『一緒に食事をする』ではないのだろう。
一緒に走ることでりん子の気分を楽しくすることができると思ったのだ。
(乗れなかったら悲しくなりそうに思うんだけど)
1日那智さんの用事に付き合ったわたしに『楽しい』思いをさせてくれたのだ。
その結果、一緒に回転寿司を食べられたらなおよしだった思うけど。
ああ、いいな~。
那智さんの思惑にまんまと乗せられる。
しかも、わたしがいい気分になって。
那智さんのこういうところ、やっぱりお父さんである。
相変わらず優しい人だ。
おかげさまでいい気分で回転寿司をいただきました。
これ、もし乗れてなくても那智さんは『楽しくなる』算段ついていたのかな。
わたしは自分が悲しくなってどんよりしちゃうって思っていたんだけど。
どうですか、那智さん。
「等式」「夜のダッシュ」感想です。会っている時間を楽しみたい。無駄な時間も意図して使う感性を忘れたくない。私の「お使い」をしてくれるりん子に感謝とお礼を込めてー。あほあほカップルです。(笑)
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