私について(性癖1)
惹かれ合う理由
「あの胸のざわめきも、あの時のそれも、すべてここに繋がっていたのかもしれない。」
なかなか見つからないパズルのワンピースがすっとあるべき場所に収まりひとつの絵が完成したような、爽快な気分。
本来ならば、このざわめきは爽快な気分とは、ほど遠い。
しかし、ずっと解けずにいた謎が解決した瞬間は、答えがどうあれ一瞬の爽快感をもたらしてくれるものだ。
深夜の情報番組(確かトゥナイト・・年がばれる)。
両手足を手枷足枷と鎖で拘束された男性が、不自由そうに四つん這いで歩いている。
部屋の照明は落としてあるから、表情などは伺えない。
そばに「女王様」と呼ばれる女性がいて、インタビューを受けている。
この男性は「奴隷」で、お掃除担当の「お掃除奴隷(いまなら、ちょっと苦笑です)」だと言っている。
女王様は手に鞭を持っていて、ゆらゆらと弄ぶように揺らしている。
「SM」という世界なのか。
私は、いままで幾度となく感じていたざわめきが、いまテレビを見ながら感じているものと同じ種類だということに、気づいて身を固くする。
この感覚、はじめて覚えたのは小学校一年生の時だ。
お友達と二人で、たまたまエッチ漫画を見つけたことがある。
いろんなタイプの漫画があったはずだが、どうしても後々まで気になってしかたがないものがあった。
男女の絡んだものや、リアルな描写のものがある中で、私の心に引っかかったものは、数人の女性が1人の女性に拷問のような酷い仕打ちをするというお話だった。
絵の感じも、簡素なタッチで、むしろコメディタッチだったと記憶している。
裸にされた女性を担ぎ上げ、画びょうのばらまかれた台の上に置く。
棒を膝の裏側にはさんだまま正座をさせ、その棒の両端に乗り体重を掛ける。
話の経緯は覚えていない。
1人の女性が慌てたり苦悶する姿を見て、数人の女性が笑うのだ。
このシーンが、いつまでたっても忘れられず、思い出すたびに落ち着かない気分になるのだ。
これがはじめの記憶。
家族で見ていたテレビの時代劇で、町娘が牢獄に入れられて拘束され竹刀で叩かれ拷問を受ける。
借金の肩に身売りされる。
世界史の教科書に載っていた、(どんな罪を犯したのか覚えていないけど)非国民扱いされて、頭を丸刈りにして、首から「私は国を裏切った」というような内容のプレートを下げて晒し者にされている女性。
これらの境遇の女性たちに感じるシンパシーのようなものは、同情とか哀れみなのだと、幼いながらも納得させていた。
「私は、正義感が強い!?」なんて(笑)。
数え切れない粟立った心の記憶は、この世界で感じることだったのか。
十代の後半、たまたま見たテレビで、私ははじめて「SM」という世界があることを知ったのだった。
「あの胸のざわめきも、あの時のそれも、すべてここに繋がっていたのかもしれない。」
なかなか見つからないパズルのワンピースがすっとあるべき場所に収まりひとつの絵が完成したような、爽快な気分。
本来ならば、このざわめきは爽快な気分とは、ほど遠い。
しかし、ずっと解けずにいた謎が解決した瞬間は、答えがどうあれ一瞬の爽快感をもたらしてくれるものだ。
深夜の情報番組(確かトゥナイト・・年がばれる)。
両手足を手枷足枷と鎖で拘束された男性が、不自由そうに四つん這いで歩いている。
部屋の照明は落としてあるから、表情などは伺えない。
そばに「女王様」と呼ばれる女性がいて、インタビューを受けている。
この男性は「奴隷」で、お掃除担当の「お掃除奴隷(いまなら、ちょっと苦笑です)」だと言っている。
女王様は手に鞭を持っていて、ゆらゆらと弄ぶように揺らしている。
「SM」という世界なのか。
私は、いままで幾度となく感じていたざわめきが、いまテレビを見ながら感じているものと同じ種類だということに、気づいて身を固くする。
この感覚、はじめて覚えたのは小学校一年生の時だ。
お友達と二人で、たまたまエッチ漫画を見つけたことがある。
いろんなタイプの漫画があったはずだが、どうしても後々まで気になってしかたがないものがあった。
男女の絡んだものや、リアルな描写のものがある中で、私の心に引っかかったものは、数人の女性が1人の女性に拷問のような酷い仕打ちをするというお話だった。
絵の感じも、簡素なタッチで、むしろコメディタッチだったと記憶している。
裸にされた女性を担ぎ上げ、画びょうのばらまかれた台の上に置く。
棒を膝の裏側にはさんだまま正座をさせ、その棒の両端に乗り体重を掛ける。
話の経緯は覚えていない。
1人の女性が慌てたり苦悶する姿を見て、数人の女性が笑うのだ。
このシーンが、いつまでたっても忘れられず、思い出すたびに落ち着かない気分になるのだ。
これがはじめの記憶。
家族で見ていたテレビの時代劇で、町娘が牢獄に入れられて拘束され竹刀で叩かれ拷問を受ける。
借金の肩に身売りされる。
世界史の教科書に載っていた、(どんな罪を犯したのか覚えていないけど)非国民扱いされて、頭を丸刈りにして、首から「私は国を裏切った」というような内容のプレートを下げて晒し者にされている女性。
これらの境遇の女性たちに感じるシンパシーのようなものは、同情とか哀れみなのだと、幼いながらも納得させていた。
「私は、正義感が強い!?」なんて(笑)。
数え切れない粟立った心の記憶は、この世界で感じることだったのか。
十代の後半、たまたま見たテレビで、私ははじめて「SM」という世界があることを知ったのだった。