忠犬りん子
独特な幸福感
金曜日の夕方。
那智さんがこちらのほうまで来てくれてちょっとご飯とアルコール。
用事を済ませるために早めに到着したのだけど、思ったより余裕が出来てしまった。
そうそう、那智さん、最近馬油を使っているのだけど、切らしていたっぽいことを言っていたから買っておいて差し上げよう。
さくさくとドラッグストアに行き那智さんが使用しているブランドの馬油を購入。
金曜の夜だからお店が混むといけないのでわたしひとり先に入って席確保。
しばらくすると那智さんが来たので「那智さん、これ」と馬油をバッグから出そうとして、あ、ちょっと遊ぼう!!
なんだと思います?
と出しかけた物をぎゅっと押し込める。
え?
パジャマじゃないの?
そうそう、じつは先日パジャマがセール品であったから那智さんにプレゼントしようと購入していたのだ。
まだ届いていないので渡していなかったので、話題に出ていたそれかと思ったらしい。
(わたしたちって、お互いに『あげたい』と思うものを見つけたときにプレゼントするんだ。誕生日とかクリスマスとかない場合もあるくせに^^)
違います、違います
あれはまだ届いていません
え、なに?
なんか食いもん?
答えちゃっていいんですか?
那智さんと同化していたい、那智さんの意思に沿っていたいわたしにとっては『なーんだ?』と言われたらわかりたい、わからなきゃ気が済まない。
だから、時々那智さんは些細なことを『なーんだ?』と聞いてきて遊ぶ。
今朝、俺、ちょっといい気分だったんだよな、なんでかわかる?
とか
次の会うとき、あそこ行こうか?どこだ
みないな具合いに。
しかも
これだけでわかったらエラい(笑)
なんて付け足したりする。
那智さんのことをわかっていたいし、わかったら『エラい!』だし、きっと『エラい!』って言える那智さんだって気分いいはずだし、那智さんが気分がいいとわたしはうれしい、一石二鳥ならぬ一石何鳥かってほどの状態だ。
だから、そんなふうに言われたときは超必死!!
すぐ思いつくこともまれにはあるけど、いきなり『今日の気分の理由』なんて確信をもって回答でくるわけない。
しかたがないので
それは以前話題に出たことはありますか?
今朝はまっすぐこちらに来ました?
などなど、質問をして探る。
質問なしで答えられれば一番うれしいけど、1、2回の質問で答えられれば、まあ、満足。
それ以上かかったり、降参する場合は、じつは密かにけっこう落ち込む(笑)
たまに、何回もヒントをもらいながら『わたしがどれほど正解したくて必死かわかっていて聞くのだろうか』と悲しくなりそうなこともあるくらいの、わたしにとっては一大事!!
ちなみに、たいがい当てても『エラい』はもらえない。
1、2回目で当たっても「まあ、ヒントあげたしね〜」ということで基本はスルーされます(笑)
まあ、そんなものだから、たまには那智さんにも楽しんでいただこうかと、逆『なーんだ?』をやってみたわけだ。
ところが
え、別にいいよ〜?
とあっさりと引き下がられてしまった。
ああ、まあ、そうですよね^^;
那智さんはわたしと違って『同化したい』なんて思っていない、ゆえに『わかろうとして必死』にもなるわけない。
わかりきった反応だけど、あまりの違いがおもしろくて食い下がってみる。
当てたくないんですか!?
わたしはいつもいろいろ聞くじゃないですか(笑)
とあれこれ。
わーかったよ(笑)
と、乗っかってくれて、そこからヒントを出して当てて行く遊びをスタートさせた。
結局、当てられなかったのだけど、那智さんとしては『馬油補充できて助かった』程度のことでおしまい。
でも、これがいいんだね。
食い下がったときに那智さんが
まあ、俺たちは『りん子は俺のことをわかっていて当然だけど、俺はそうでもない』っていうのでいいかなと思うんだけどね(笑)
言っていたのだけど、そうなのだ。
那智さんと同化していたい、意思に沿っていたい。
那智さんの状態がわたしの幸福にリンクしているわたしにとって、那智さんを把握しておくことはとても重要で必要で、なおかつ幸福なのだ。
だから、五感と感性をフル活用して生きている。
那智さんは、そうじゃない。
那智さんは大きな指針であるのだから、つぶさにわたしを把握する役割ではないのだ。
日頃は大きな方向性を示し、わたしが相談すれば軌道修正や問題解決をしてくれる。
で、お互いこの関係性が好きだから
りん子は俺のことをわかっていて当然
と言える状態が好きなのだ。
だから、『なーんだ?』を那智さんが必死に答える必要はないんだよね。
えっと、これは亭主関白的な先回りして『俺を慮れ』の「言わなくてもわかるだろ」とは違いますよ。
那智さんはわたしがわからなくてもかまわないし、わたしは先回りしないもの(笑)
とにかく。
那智さんとわたしの関係を『父性』や『女の子』や『わんこ』や、いろいろ表現しているけれど、方向性を示す人と詳細を見る人の関係は社長と秘書とか船長と航海士みたいな感じかもしれない。
そう考えるとわたしはけっこう優秀な秘書だと思うんだけど^^
でも、どうしても意に沿っていたい!!必死な感じは、やっぱり飼い主を慕う犬が近いような気がする。
昔はSM的表現で『飼い主』なんていうのにも憧れたけど、いまは関係に名称をつける必要性は感じなくなっているから、すこし照れるけど^^;
きゃんきゃんと足下にまとわりつき、いざとなったら(那智さん専属の)救助犬になれるくらいなイメージ、飼い主をじーっと見ている犬のそれは、たぶん似ているなと思うのだ。
那智さんは全景を見て、わたしは目の前の細かいところを見ている。
そのポジションがお互いに心地よい^^
わたし、案外忠犬なんだよ^^
「等式」感想です。とにかくりん子は私のことをよく知っている、そしてその行動も、気持ちも、肯定してくれる。私はりん子の気持ちが少しわかるくらいかな。ありがとうねー
金曜日の夕方。
那智さんがこちらのほうまで来てくれてちょっとご飯とアルコール。
用事を済ませるために早めに到着したのだけど、思ったより余裕が出来てしまった。
そうそう、那智さん、最近馬油を使っているのだけど、切らしていたっぽいことを言っていたから買っておいて差し上げよう。
さくさくとドラッグストアに行き那智さんが使用しているブランドの馬油を購入。
金曜の夜だからお店が混むといけないのでわたしひとり先に入って席確保。
しばらくすると那智さんが来たので「那智さん、これ」と馬油をバッグから出そうとして、あ、ちょっと遊ぼう!!
なんだと思います?
と出しかけた物をぎゅっと押し込める。
え?
パジャマじゃないの?
そうそう、じつは先日パジャマがセール品であったから那智さんにプレゼントしようと購入していたのだ。
まだ届いていないので渡していなかったので、話題に出ていたそれかと思ったらしい。
(わたしたちって、お互いに『あげたい』と思うものを見つけたときにプレゼントするんだ。誕生日とかクリスマスとかない場合もあるくせに^^)
違います、違います
あれはまだ届いていません
え、なに?
なんか食いもん?
答えちゃっていいんですか?
那智さんと同化していたい、那智さんの意思に沿っていたいわたしにとっては『なーんだ?』と言われたらわかりたい、わからなきゃ気が済まない。
だから、時々那智さんは些細なことを『なーんだ?』と聞いてきて遊ぶ。
今朝、俺、ちょっといい気分だったんだよな、なんでかわかる?
とか
次の会うとき、あそこ行こうか?どこだ
みないな具合いに。
しかも
これだけでわかったらエラい(笑)
なんて付け足したりする。
那智さんのことをわかっていたいし、わかったら『エラい!』だし、きっと『エラい!』って言える那智さんだって気分いいはずだし、那智さんが気分がいいとわたしはうれしい、一石二鳥ならぬ一石何鳥かってほどの状態だ。
だから、そんなふうに言われたときは超必死!!
すぐ思いつくこともまれにはあるけど、いきなり『今日の気分の理由』なんて確信をもって回答でくるわけない。
しかたがないので
それは以前話題に出たことはありますか?
今朝はまっすぐこちらに来ました?
などなど、質問をして探る。
質問なしで答えられれば一番うれしいけど、1、2回の質問で答えられれば、まあ、満足。
それ以上かかったり、降参する場合は、じつは密かにけっこう落ち込む(笑)
たまに、何回もヒントをもらいながら『わたしがどれほど正解したくて必死かわかっていて聞くのだろうか』と悲しくなりそうなこともあるくらいの、わたしにとっては一大事!!
ちなみに、たいがい当てても『エラい』はもらえない。
1、2回目で当たっても「まあ、ヒントあげたしね〜」ということで基本はスルーされます(笑)
まあ、そんなものだから、たまには那智さんにも楽しんでいただこうかと、逆『なーんだ?』をやってみたわけだ。
ところが
え、別にいいよ〜?
とあっさりと引き下がられてしまった。
ああ、まあ、そうですよね^^;
那智さんはわたしと違って『同化したい』なんて思っていない、ゆえに『わかろうとして必死』にもなるわけない。
わかりきった反応だけど、あまりの違いがおもしろくて食い下がってみる。
当てたくないんですか!?
わたしはいつもいろいろ聞くじゃないですか(笑)
とあれこれ。
わーかったよ(笑)
と、乗っかってくれて、そこからヒントを出して当てて行く遊びをスタートさせた。
結局、当てられなかったのだけど、那智さんとしては『馬油補充できて助かった』程度のことでおしまい。
でも、これがいいんだね。
食い下がったときに那智さんが
まあ、俺たちは『りん子は俺のことをわかっていて当然だけど、俺はそうでもない』っていうのでいいかなと思うんだけどね(笑)
言っていたのだけど、そうなのだ。
那智さんと同化していたい、意思に沿っていたい。
那智さんの状態がわたしの幸福にリンクしているわたしにとって、那智さんを把握しておくことはとても重要で必要で、なおかつ幸福なのだ。
だから、五感と感性をフル活用して生きている。
那智さんは、そうじゃない。
那智さんは大きな指針であるのだから、つぶさにわたしを把握する役割ではないのだ。
日頃は大きな方向性を示し、わたしが相談すれば軌道修正や問題解決をしてくれる。
で、お互いこの関係性が好きだから
りん子は俺のことをわかっていて当然
と言える状態が好きなのだ。
だから、『なーんだ?』を那智さんが必死に答える必要はないんだよね。
えっと、これは亭主関白的な先回りして『俺を慮れ』の「言わなくてもわかるだろ」とは違いますよ。
那智さんはわたしがわからなくてもかまわないし、わたしは先回りしないもの(笑)
とにかく。
那智さんとわたしの関係を『父性』や『女の子』や『わんこ』や、いろいろ表現しているけれど、方向性を示す人と詳細を見る人の関係は社長と秘書とか船長と航海士みたいな感じかもしれない。
そう考えるとわたしはけっこう優秀な秘書だと思うんだけど^^
でも、どうしても意に沿っていたい!!必死な感じは、やっぱり飼い主を慕う犬が近いような気がする。
昔はSM的表現で『飼い主』なんていうのにも憧れたけど、いまは関係に名称をつける必要性は感じなくなっているから、すこし照れるけど^^;
きゃんきゃんと足下にまとわりつき、いざとなったら(那智さん専属の)救助犬になれるくらいなイメージ、飼い主をじーっと見ている犬のそれは、たぶん似ているなと思うのだ。
那智さんは全景を見て、わたしは目の前の細かいところを見ている。
そのポジションがお互いに心地よい^^
わたし、案外忠犬なんだよ^^
「等式」感想です。とにかくりん子は私のことをよく知っている、そしてその行動も、気持ちも、肯定してくれる。私はりん子の気持ちが少しわかるくらいかな。ありがとうねー