仕事って
独り言
10代で働きはじめたとき、わたしは幸運なことに通常の新入社員研修の他に特別な研修を受けさせてくれる部署に配属になった。
モデルを教える先生に立ち居振る舞い、客室乗務員と同じプログラムの研修、それらは高校を卒業したばかりのまだ子どもだったわたしに大きな影響を与えてくれた。
目上の人とすれ違うときの会釈の仕方、物を落したときの拾い方などの動きの基礎。
講義を聞いている姿を何箇所かからカメラで撮影されていて、後から見直し、自分の無意識の表情や仕草を見せられたときは、もう、あまりの無防備さに愕然としたものだった。
腹筋何十回!!なんて、まあ、高卒相手だから、ちょっとスチュワーデス物語みたいな根性押しのトホホなものもあったりしたけど、あの研修の数々はわたしの財産だ。
中でも、ひとりの講師が言っていた言葉はその後の仕事に対する見方を一気に変えた。
わたしは勉強がキライだったから高校を卒業したら当たり前に働くつもりだったし、自分でお金を稼ぐことは大人な感じもしていたので、まったく働くことに抵抗はなかった。
でも、それと同時に働くことの意義ややりがいや夢や、とにかく『美しい』ものはほとんどなかった。
そんなに裕福な家でもないし勉強キライだから、当然働く、で、机に座る仕事は無理、接客のほうができる、そんな程度の動機で入っただけだった。
もちろん真面目に取り組んではいたけど、働くことはほとんど可も不可もなく、ちょっと可くらいな意気込みしかかなった。
その講師は一日だけの研修だったと記憶している。
立ち居振る舞いとかではなく、心の話を主にしていた。
女の『かきくけこ』(たしかね、か=かわいげ、き=気配り、く=工夫、けは忘れた、こ=恋)なんて、いまだったら『なぜ女?』とフェミアンテナがピンとしてしまいそうな話だったり。
余談ですけど、男もあったなぁ。
男は『あいうえお』だった気がするけど、ぜんぜん憶えていない^^;
まあ、10代の子どもにはこういう話からしないといけなかったのかもね。
その講師が仕事に対する姿勢をこんなふうに言ったのだ。
仕事とはお金をもらって自分を磨くことができるもの
これには単純な18才のわたしはキラキラキラ〜と目からウロコ、お花畑のごとく、見事に開眼してしまったのだ。
ああ、そうだ、お仕事っていうのはお給料もらって、なおかつ自分を磨くことができるのか。
なんてラッキーな優れものなのだ!!
仕事がわたしを磨いてくれるとは思わない、でも、意識ひとつで仕事でわたしを磨くことはできる。
(だからといって、仕事をしていないと磨けないとか、仕事をしていれば必ず磨かれるということではありません。ラッキーな思考回路程度のことね)
勉強がキライだったから進学するつもりはなかった。
実家は裕福でもなんでもなかったし、たいして勉強しなくても入れてテキトウに遊ぶ進学を選ぶつもりはなかった。
働くことに抵抗感はまったくなかった。
そんなにたいそうな夢も野望も相変わらず芽生えなかったけど、『お金をもらって自分を磨ける』という意識は子どものわたしにはなかった価値観で、それ以降のわたしの仕事に対する意識を変えた。
仕事ってさ。
いま、なんか大変そうだよね。
まだ我が子は就職の場に立たされていないから現代の就職活動の実体をリアルに知っているわけではないので、その部分の大変さは想像しかできないけど。
けっこう夢とかやりがいとか、小さい頃からやりたいことを見つけないといけない感じではあって、夢ややりがいって強迫観念みたいなのって、ない?
わたし、あれ、苦手なんだよね。
やりたいことなんて年齢と共に変わるし、たかだか生まれて20年そこそこで自分の夢を決定付けるなんて無理な話だと思うんだよね。
大人はさ、やりたいことや夢や目標を持ってと急かすくせに、じゃあ、世界各国で日雇いで働きながら放浪の旅がやりたいって言い出したら反対するでしょ?ハリウッド女優になりたいって言ったら無理だって押しとどめるでしょ?(笑)
夢とか『美しい』こと言っているのに、それって実際は、安定して好条件で、ちょっぴり体裁もいい、大人の想定する狭い範囲内での夢ややりがいなんだよね。
で、それって子どもも肌で感じてしまっていると思う。
だからね、わたしは我が子にはね、仕事はね、やりたいことを見つけるんじゃなくて、苦手な分野は避けるくらいの緩い基準で選んだほうがいいよって言っているんだ。
これなら続けられるかも〜と思うものを3年くらい続けているうちに、いろいろできるようになったり、感謝されたり、社会貢献している実感が持ててくるから、そしたら、いつかそれがやりがいになるかもしれないって。
仕事はお金をもらって自分を磨くことだもんね。
そう思えていたら、すこしは気楽に自分の未来を想像できるような気がするよ^^
と、エラそうに言っていますが。
我が子が小学生の頃。
ピアノにも声楽教室にも通わせておらず、なんの楽器も弾けない、音楽の成績普通にも関わらず『音楽で食べていきたい』と言われたときには、さすがに、困った。
たしかに他の小学生が聴くような音楽じゃなくて、かなりマイナーなミュージシャンが好きだったりだったから、多少は譲歩するけど、なかなかの飛躍ぶりにあううううと悶絶するしかできなかったけどね^^;
今度、『お金をもらって自分を磨ける』話、しておかなきゃ^^
「等式」感想です。「苦手な分野を避ける」発言は良いですね~ハードルが低ければ自由になれる。厳しい就職事情の中、母親からこんなアドバイスを貰えたら気が楽になり、自分を鼓舞することが出来そうです。(笑)
10代で働きはじめたとき、わたしは幸運なことに通常の新入社員研修の他に特別な研修を受けさせてくれる部署に配属になった。
モデルを教える先生に立ち居振る舞い、客室乗務員と同じプログラムの研修、それらは高校を卒業したばかりのまだ子どもだったわたしに大きな影響を与えてくれた。
目上の人とすれ違うときの会釈の仕方、物を落したときの拾い方などの動きの基礎。
講義を聞いている姿を何箇所かからカメラで撮影されていて、後から見直し、自分の無意識の表情や仕草を見せられたときは、もう、あまりの無防備さに愕然としたものだった。
腹筋何十回!!なんて、まあ、高卒相手だから、ちょっとスチュワーデス物語みたいな根性押しのトホホなものもあったりしたけど、あの研修の数々はわたしの財産だ。
中でも、ひとりの講師が言っていた言葉はその後の仕事に対する見方を一気に変えた。
わたしは勉強がキライだったから高校を卒業したら当たり前に働くつもりだったし、自分でお金を稼ぐことは大人な感じもしていたので、まったく働くことに抵抗はなかった。
でも、それと同時に働くことの意義ややりがいや夢や、とにかく『美しい』ものはほとんどなかった。
そんなに裕福な家でもないし勉強キライだから、当然働く、で、机に座る仕事は無理、接客のほうができる、そんな程度の動機で入っただけだった。
もちろん真面目に取り組んではいたけど、働くことはほとんど可も不可もなく、ちょっと可くらいな意気込みしかかなった。
その講師は一日だけの研修だったと記憶している。
立ち居振る舞いとかではなく、心の話を主にしていた。
女の『かきくけこ』(たしかね、か=かわいげ、き=気配り、く=工夫、けは忘れた、こ=恋)なんて、いまだったら『なぜ女?』とフェミアンテナがピンとしてしまいそうな話だったり。
余談ですけど、男もあったなぁ。
男は『あいうえお』だった気がするけど、ぜんぜん憶えていない^^;
まあ、10代の子どもにはこういう話からしないといけなかったのかもね。
その講師が仕事に対する姿勢をこんなふうに言ったのだ。
仕事とはお金をもらって自分を磨くことができるもの
これには単純な18才のわたしはキラキラキラ〜と目からウロコ、お花畑のごとく、見事に開眼してしまったのだ。
ああ、そうだ、お仕事っていうのはお給料もらって、なおかつ自分を磨くことができるのか。
なんてラッキーな優れものなのだ!!
仕事がわたしを磨いてくれるとは思わない、でも、意識ひとつで仕事でわたしを磨くことはできる。
(だからといって、仕事をしていないと磨けないとか、仕事をしていれば必ず磨かれるということではありません。ラッキーな思考回路程度のことね)
勉強がキライだったから進学するつもりはなかった。
実家は裕福でもなんでもなかったし、たいして勉強しなくても入れてテキトウに遊ぶ進学を選ぶつもりはなかった。
働くことに抵抗感はまったくなかった。
そんなにたいそうな夢も野望も相変わらず芽生えなかったけど、『お金をもらって自分を磨ける』という意識は子どものわたしにはなかった価値観で、それ以降のわたしの仕事に対する意識を変えた。
仕事ってさ。
いま、なんか大変そうだよね。
まだ我が子は就職の場に立たされていないから現代の就職活動の実体をリアルに知っているわけではないので、その部分の大変さは想像しかできないけど。
けっこう夢とかやりがいとか、小さい頃からやりたいことを見つけないといけない感じではあって、夢ややりがいって強迫観念みたいなのって、ない?
わたし、あれ、苦手なんだよね。
やりたいことなんて年齢と共に変わるし、たかだか生まれて20年そこそこで自分の夢を決定付けるなんて無理な話だと思うんだよね。
大人はさ、やりたいことや夢や目標を持ってと急かすくせに、じゃあ、世界各国で日雇いで働きながら放浪の旅がやりたいって言い出したら反対するでしょ?ハリウッド女優になりたいって言ったら無理だって押しとどめるでしょ?(笑)
夢とか『美しい』こと言っているのに、それって実際は、安定して好条件で、ちょっぴり体裁もいい、大人の想定する狭い範囲内での夢ややりがいなんだよね。
で、それって子どもも肌で感じてしまっていると思う。
だからね、わたしは我が子にはね、仕事はね、やりたいことを見つけるんじゃなくて、苦手な分野は避けるくらいの緩い基準で選んだほうがいいよって言っているんだ。
これなら続けられるかも〜と思うものを3年くらい続けているうちに、いろいろできるようになったり、感謝されたり、社会貢献している実感が持ててくるから、そしたら、いつかそれがやりがいになるかもしれないって。
仕事はお金をもらって自分を磨くことだもんね。
そう思えていたら、すこしは気楽に自分の未来を想像できるような気がするよ^^
と、エラそうに言っていますが。
我が子が小学生の頃。
ピアノにも声楽教室にも通わせておらず、なんの楽器も弾けない、音楽の成績普通にも関わらず『音楽で食べていきたい』と言われたときには、さすがに、困った。
たしかに他の小学生が聴くような音楽じゃなくて、かなりマイナーなミュージシャンが好きだったりだったから、多少は譲歩するけど、なかなかの飛躍ぶりにあううううと悶絶するしかできなかったけどね^^;
今度、『お金をもらって自分を磨ける』話、しておかなきゃ^^
「等式」感想です。「苦手な分野を避ける」発言は良いですね~ハードルが低ければ自由になれる。厳しい就職事情の中、母親からこんなアドバイスを貰えたら気が楽になり、自分を鼓舞することが出来そうです。(笑)
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COMMENT
我が家の相棒は、習い事もしていなかったし、だから楽譜も読めないし、音楽の成績もよくなかったけど、今は音楽でメシ食ってるひとりです。
義母はずっとそんな彼の応援者でした。
いくつになっても同じ情熱を持てるものに出会える人って少ないと思います。
息子さんがもしそれに出会えてるとしたら、真っ直ぐに進まれたらいいなと、勝手ながらそう思いました。
義母はずっとそんな彼の応援者でした。
いくつになっても同じ情熱を持てるものに出会える人って少ないと思います。
息子さんがもしそれに出会えてるとしたら、真っ直ぐに進まれたらいいなと、勝手ながらそう思いました。
Hさん
ああ、ステキなお話ですね〜^^
一般常識的な幸福のほうが親は安心だから、どうしてもその常識との戦いだよ。
だから、お義母様の心意気はステキ。
我が子が情熱を傾けたいものがあったとき、わたしはどういう態度でいられるか、そう思うとまだまだ修行半ばです^^;
ああ、ステキなお話ですね〜^^
一般常識的な幸福のほうが親は安心だから、どうしてもその常識との戦いだよ。
だから、お義母様の心意気はステキ。
我が子が情熱を傾けたいものがあったとき、わたしはどういう態度でいられるか、そう思うとまだまだ修行半ばです^^;
りん子さん
こんにちは。寒いですね。
初めて時に教えていただいた事って
その後とても重要になっていきますよね。
はじめの頃にゆる~く教育されるとその後厳しくなり続かないとか・・・
最初に厳しく教育されればその後はそれが当たりまえになってこなせる。
今の就職は大変です。
私も子供に自分で選んだ道間違えてても
ぶつかれ!って言ってます。
それは経験値になるからって。
こんにちは。寒いですね。
初めて時に教えていただいた事って
その後とても重要になっていきますよね。
はじめの頃にゆる~く教育されるとその後厳しくなり続かないとか・・・
最初に厳しく教育されればその後はそれが当たりまえになってこなせる。
今の就職は大変です。
私も子供に自分で選んだ道間違えてても
ぶつかれ!って言ってます。
それは経験値になるからって。
ここさん
間違えててもぶつかれ!って言えるってすばらしいですね。
親ってつい安全な道を進ませたくなっちゃうから。
これは経験値になるってお母さんに言ってもらえたら、お子さんも勇気でますね。
厳しくするの苦手なので、わたしはあんまりいい親じゃないんだな〜(笑)
なんとか、いまどきの就活ってシステムではない方法で仕事に就いてもらえないかななんて思っちゃってるんだもの^^;
間違えててもぶつかれ!って言えるってすばらしいですね。
親ってつい安全な道を進ませたくなっちゃうから。
これは経験値になるってお母さんに言ってもらえたら、お子さんも勇気でますね。
厳しくするの苦手なので、わたしはあんまりいい親じゃないんだな〜(笑)
なんとか、いまどきの就活ってシステムではない方法で仕事に就いてもらえないかななんて思っちゃってるんだもの^^;
私はだって全然いい親なんかじゃないですよ~主にだって相談したりするし・・・
手はかけないで、なるべく目をかけるよう気をつけてます。
お互いがんばりしょう。あたふたしながら(汗)
手はかけないで、なるべく目をかけるよう気をつけてます。
お互いがんばりしょう。あたふたしながら(汗)
ここさん
手をかけないで、目をかける!これ大事なんだよね〜〜^^
ついやっちゃうんだけど^^;
うん、あたふたしながらもがんばりましょう。
やっぱり人生は楽しくしないとね^^
手をかけないで、目をかける!これ大事なんだよね〜〜^^
ついやっちゃうんだけど^^;
うん、あたふたしながらもがんばりましょう。
やっぱり人生は楽しくしないとね^^