精神の露出4『シーン2』
非日常的な日常
お知らせ:気まぐれにテンプレート変更^^気が済んだら、もとに戻すかもしれません。
ああ、わたしは那智さんにわんこにしてほしいのだ。
わんこ未遂に終わりベンチを横目にホテルに向かいながら、心のほとんどは安堵しているものの、やっと穏やかになった泉に一滴の紺碧のインクをたらし、それが徐々に透明な水を青く染めていくようにわんこになれなかったことがとても残念で、わんこにしてほしいという気持ちが心を支配するようになる。
わたしは、ずいぶん長い時間をかけて那智さんにインクの色を濃くされたようだ。
認めるの怖いけど、店員さんがいて流れた日に『わんこにしてほしい』という感情を自覚していた。
次のデート。
那智さんもわんこテンションが続いていたようで、デートの前から『わんこができる服装』の指示が出されていた。
尻尾をつけるからスカート必須。
お尻が見えずかつ四つん這いで歩けるような絶妙の丈のスカート。
季節感や流行やら、いろいろ考えないといけないから、けっこう大変なこと^^
(『悩みの種』)
前回わんこになれなかったことが残念だったとはいえ、湖面に広がったインクは時間がたてば澄んだ水に変わるように、また普段のように恥ずかしいや申し訳ないなどの『無理!!』の感情が当たり前のように鎮座し、濃く深い『してほしい』は存在は陰を潜めている。
だから洋服を選ぶとき、期待に胸を膨らませてなんてことはほとんどない(ないのですよ^^)
ただ、いかにミッションをクリアするかということと、不思議と『他人事』な状態でいる感じなのだ。
人は、困難が視野に入ると、きっとそれを見ないようにするのかもしれない。
直前になったらどちらにしても困るのだけど、それまでは他人事のようにして現実逃避しているのだよね。
今度こそ、あそこをリードを引いて歩こうね〜
そんな予告をされていてもなんだか現実味なくデートの日を迎えていた。
ニットのワンピースにニーハイソックス。
これなら膝もサポートできるし丈もまあ大丈夫なはず^^
朝ご飯に和食屋さんに入り、那智さんにあらためて全身をみてもらう。
丈、短すぎない?
ちょっと尻尾で膨らむのは合わないかもな
いろいろ気にしている。
あれ?
那智さん、ちょっと緊張していません?(笑)
そうなのだ。
前にも書いたけど普通の街中で女性にリードを引いて歩くのは、実は引くほうが勇気と覚悟がいるんだ。
いちおう那智さんも普通の気遣いのできる大人、周りの目なんてぜんぜん関係ないと最初から思えるほど鈍感な人ではないだよね。
そして、これが不思議なんだけど、わたしがまるで『他人事』状態で平気であればあるほど、那智さんの勇気や覚悟が萎えるようなのです。
那智さん、慌ててる感じではないけれど、やる気に満ちあふれているという空気もない静かな真面目な目、わたしのほうが『ホントにやります〜?』と現実逃避してなんだか明るい^^
そんな立場逆転みたいな様子のまま百貨店の裏側の出入り口に到着。
この前よりすくないけど人はベンチに腰かけている。
…あそこに向かって四つん這いで、この階段(もしくはその横のスロープ)を上がっていくのか…。
…
ががーーーん。
一気に、現実に引き戻された!!
そうですよ、わたし、ここで四つん這いになるですよ!!
ここまで目の前に迫ると濃いインクなんてかっこいいこと言える状態じゃない、ひたすら、無理無理!!となる。
またまた不思議なもので、わたしがちょっとでも慌てると俄然那智さんのやる気に力が入るのだ。
さっきの静かで真面目な目が、たのしそうなキラキラ輝く『やらせる目』に見事に変わる。
ああ、この目になっちゃったら、もうやるんだ、わたし。
(拒否権がないわたしには『やらなきゃ』とか『やれるのか』とかはないの、もう決定事項の『やる』なの^^;)
いや、無理です
あ、人がいる!!
いろいろ抵抗してみてもぜんぜんダメ。
首輪を渡され、リードをつけられ、準備は着々と進む。
百貨店の出入り口付近で、それらをしていたら、ひとりの若い女性がこちらのほうにきた。
実は、出入り口を挟んで広場と反対側に小さなショップがあるので、そこに向かっていたのだ。
あわあわするわたしたちを追い越して奥に。
そのときベンチに腰かけていた人が数人いなくなっていて、広場にはわずかな人だけになった。
ほら、いまのうちだよ〜(笑)
お座り
はうはう、でも、後ろに女性が!!
チラッと見るとショップを眺めていてこちらに背を向けている。
リードの先は那智さんが握ってくえている。
お座り
もう一度那智さんの声。
バッグを持ってもらう。
靴は?
大丈夫です
パンプスは脱がないで大丈夫だろう。
もう、怖い!!とても恥ずかしい!!
もし女性が不快に思ったら、本当にごめんなさい。
怖い、怖い!!
ものすごくためらう。
ああ、だけど、わたし、わんこになりたんだ。
那智さんにリードを引いてもらって歩くことが幸せなんだ。
恥ずかしいとか常識とか申し訳ない気持ちは当然なくならない、でも、快感を求める気持ちが上回る。
拒否権なし、那智さんの『やる』はただの、しかし抗えない幸福の号令。
意を決してというよりも、淡々と体と精神が快感に向かって動く、そんな感じ。
おそるおそる体を低くしてタイルに手をつける。
ちょうどスロープのはじまりのところだ。
もう、そこからは無我夢中。
パンプスを気にしたような記憶がある気がする(気にした結果は記憶にない^^;)
ぺたぺたとタイルにつくてのひら(このぺたぺたな感じに自己愛^^;)
見えているし感じているのだけど、2枚くらいオブラートに包まれているみたいで感覚が遠い。
視覚と聴覚と触覚の断片を洗濯機に放り込んでかくはんしているような、ぐるんぐるんの夢中状態。
那智さんの握っているリードがわたしの命綱。
再び記憶がつながるのはスロープが終わったところ。
広場に出たからかな、ほんのすこし空気が広がった感じがした。
那智さんが立ち止まっているから、それに合わせてわたしも四つん這いのまま止まっている。
ちょっと間があいて、『いいよ』と言われたかトントンと知らせてくれたか覚えていないけど、おしまいの合図をもらって、その場で二本足になる。
手についた砂利を小さくパンパンとはたいた。
洗濯機の嵐の中で、いま行われている一切合切を那智さんに委ねている幸福と委ねられる幸福と、街中で犬になっている自己愛。
拒否よりも快感が上回った心の流れを自分の脳に記憶させてしまった。
心の奥にひっそりとある泉を染めるインクの色がまたすこし濃くなったような日。
あとから聞いたら、ショップを覗いていた女性は那智さんが歩きながら確認したら、スロープの入り口まで来ていてわたしたちをしっかり眺めていたらしい。
不可思議なものを見せられてきっと驚いたことでしょう(ごめんなさい)
あり得ないと思うのだけど、もしかした『わんこ』だって認識してくれている人だったらいいな、なんて淡い期待を持ってしまう^^;
まだ続きます〜^^
今朝の「等式」感想です。
そうですね~りん子に拒否権が無いことと”うだうだ”言わない事は別だなと、確かにそれを私が楽しんでいる部分があり程良くしてくれれば歓迎できる。明日のデートはやはり「わんこ」かな~街中で見かけたら頭を撫で撫でしてくださいね。(笑)
お知らせ:気まぐれにテンプレート変更^^気が済んだら、もとに戻すかもしれません。
ああ、わたしは那智さんにわんこにしてほしいのだ。
わんこ未遂に終わりベンチを横目にホテルに向かいながら、心のほとんどは安堵しているものの、やっと穏やかになった泉に一滴の紺碧のインクをたらし、それが徐々に透明な水を青く染めていくようにわんこになれなかったことがとても残念で、わんこにしてほしいという気持ちが心を支配するようになる。
わたしは、ずいぶん長い時間をかけて那智さんにインクの色を濃くされたようだ。
認めるの怖いけど、店員さんがいて流れた日に『わんこにしてほしい』という感情を自覚していた。
次のデート。
那智さんもわんこテンションが続いていたようで、デートの前から『わんこができる服装』の指示が出されていた。
尻尾をつけるからスカート必須。
お尻が見えずかつ四つん這いで歩けるような絶妙の丈のスカート。
季節感や流行やら、いろいろ考えないといけないから、けっこう大変なこと^^
(『悩みの種』)
前回わんこになれなかったことが残念だったとはいえ、湖面に広がったインクは時間がたてば澄んだ水に変わるように、また普段のように恥ずかしいや申し訳ないなどの『無理!!』の感情が当たり前のように鎮座し、濃く深い『してほしい』は存在は陰を潜めている。
だから洋服を選ぶとき、期待に胸を膨らませてなんてことはほとんどない(ないのですよ^^)
ただ、いかにミッションをクリアするかということと、不思議と『他人事』な状態でいる感じなのだ。
人は、困難が視野に入ると、きっとそれを見ないようにするのかもしれない。
直前になったらどちらにしても困るのだけど、それまでは他人事のようにして現実逃避しているのだよね。
今度こそ、あそこをリードを引いて歩こうね〜
そんな予告をされていてもなんだか現実味なくデートの日を迎えていた。
ニットのワンピースにニーハイソックス。
これなら膝もサポートできるし丈もまあ大丈夫なはず^^
朝ご飯に和食屋さんに入り、那智さんにあらためて全身をみてもらう。
丈、短すぎない?
ちょっと尻尾で膨らむのは合わないかもな
いろいろ気にしている。
あれ?
那智さん、ちょっと緊張していません?(笑)
そうなのだ。
前にも書いたけど普通の街中で女性にリードを引いて歩くのは、実は引くほうが勇気と覚悟がいるんだ。
いちおう那智さんも普通の気遣いのできる大人、周りの目なんてぜんぜん関係ないと最初から思えるほど鈍感な人ではないだよね。
そして、これが不思議なんだけど、わたしがまるで『他人事』状態で平気であればあるほど、那智さんの勇気や覚悟が萎えるようなのです。
那智さん、慌ててる感じではないけれど、やる気に満ちあふれているという空気もない静かな真面目な目、わたしのほうが『ホントにやります〜?』と現実逃避してなんだか明るい^^
そんな立場逆転みたいな様子のまま百貨店の裏側の出入り口に到着。
この前よりすくないけど人はベンチに腰かけている。
…あそこに向かって四つん這いで、この階段(もしくはその横のスロープ)を上がっていくのか…。
…
ががーーーん。
一気に、現実に引き戻された!!
そうですよ、わたし、ここで四つん這いになるですよ!!
ここまで目の前に迫ると濃いインクなんてかっこいいこと言える状態じゃない、ひたすら、無理無理!!となる。
またまた不思議なもので、わたしがちょっとでも慌てると俄然那智さんのやる気に力が入るのだ。
さっきの静かで真面目な目が、たのしそうなキラキラ輝く『やらせる目』に見事に変わる。
ああ、この目になっちゃったら、もうやるんだ、わたし。
(拒否権がないわたしには『やらなきゃ』とか『やれるのか』とかはないの、もう決定事項の『やる』なの^^;)
いや、無理です
あ、人がいる!!
いろいろ抵抗してみてもぜんぜんダメ。
首輪を渡され、リードをつけられ、準備は着々と進む。
百貨店の出入り口付近で、それらをしていたら、ひとりの若い女性がこちらのほうにきた。
実は、出入り口を挟んで広場と反対側に小さなショップがあるので、そこに向かっていたのだ。
あわあわするわたしたちを追い越して奥に。
そのときベンチに腰かけていた人が数人いなくなっていて、広場にはわずかな人だけになった。
ほら、いまのうちだよ〜(笑)
お座り
はうはう、でも、後ろに女性が!!
チラッと見るとショップを眺めていてこちらに背を向けている。
リードの先は那智さんが握ってくえている。
お座り
もう一度那智さんの声。
バッグを持ってもらう。
靴は?
大丈夫です
パンプスは脱がないで大丈夫だろう。
もう、怖い!!とても恥ずかしい!!
もし女性が不快に思ったら、本当にごめんなさい。
怖い、怖い!!
ものすごくためらう。
ああ、だけど、わたし、わんこになりたんだ。
那智さんにリードを引いてもらって歩くことが幸せなんだ。
恥ずかしいとか常識とか申し訳ない気持ちは当然なくならない、でも、快感を求める気持ちが上回る。
拒否権なし、那智さんの『やる』はただの、しかし抗えない幸福の号令。
意を決してというよりも、淡々と体と精神が快感に向かって動く、そんな感じ。
おそるおそる体を低くしてタイルに手をつける。
ちょうどスロープのはじまりのところだ。
もう、そこからは無我夢中。
パンプスを気にしたような記憶がある気がする(気にした結果は記憶にない^^;)
ぺたぺたとタイルにつくてのひら(このぺたぺたな感じに自己愛^^;)
見えているし感じているのだけど、2枚くらいオブラートに包まれているみたいで感覚が遠い。
視覚と聴覚と触覚の断片を洗濯機に放り込んでかくはんしているような、ぐるんぐるんの夢中状態。
那智さんの握っているリードがわたしの命綱。
再び記憶がつながるのはスロープが終わったところ。
広場に出たからかな、ほんのすこし空気が広がった感じがした。
那智さんが立ち止まっているから、それに合わせてわたしも四つん這いのまま止まっている。
ちょっと間があいて、『いいよ』と言われたかトントンと知らせてくれたか覚えていないけど、おしまいの合図をもらって、その場で二本足になる。
手についた砂利を小さくパンパンとはたいた。
洗濯機の嵐の中で、いま行われている一切合切を那智さんに委ねている幸福と委ねられる幸福と、街中で犬になっている自己愛。
拒否よりも快感が上回った心の流れを自分の脳に記憶させてしまった。
心の奥にひっそりとある泉を染めるインクの色がまたすこし濃くなったような日。
あとから聞いたら、ショップを覗いていた女性は那智さんが歩きながら確認したら、スロープの入り口まで来ていてわたしたちをしっかり眺めていたらしい。
不可思議なものを見せられてきっと驚いたことでしょう(ごめんなさい)
あり得ないと思うのだけど、もしかした『わんこ』だって認識してくれている人だったらいいな、なんて淡い期待を持ってしまう^^;
まだ続きます〜^^
今朝の「等式」感想です。
そうですね~りん子に拒否権が無いことと”うだうだ”言わない事は別だなと、確かにそれを私が楽しんでいる部分があり程良くしてくれれば歓迎できる。明日のデートはやはり「わんこ」かな~街中で見かけたら頭を撫で撫でしてくださいね。(笑)
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COMMENT
このシリーズ、終わるまでコメストップしよ~って思ってたのですが・・・
(ΦωΦ) ← こんな顔して読んでます ヘヘヘ
(ΦωΦ) ← こんな顔して読んでます ヘヘヘ
薫さん
(ΦωΦ)な顔になりながらも読んでくれてありがとう^^;
最終話は全体的に生意気な意見を書きますから、『わんこ』に関してコメントくださるなら最終話をお待ちいただく前がいいかもしれません(笑)
あ、いえ、催促でもなんでもないですけども(笑)
あ、でも、(ΦωΦ)の解説は聞きたい気もしますけど^^
(ΦωΦ)な顔になりながらも読んでくれてありがとう^^;
最終話は全体的に生意気な意見を書きますから、『わんこ』に関してコメントくださるなら最終話をお待ちいただく前がいいかもしれません(笑)
あ、いえ、催促でもなんでもないですけども(笑)
あ、でも、(ΦωΦ)の解説は聞きたい気もしますけど^^