ターミネーター
独特な幸福感
那智さんに対して、笑いのポイントを代表とする『それは私と違うな〜』と思うところはいくつかあって、その中のひとつに金銭感覚というのがある。(笑いのポイントが違う話は『相違点』)
お金をかけるポイントが微妙に違うのだ(お互い大金持ちではないからね、それぞれポイントはある)
お金の使い方なんてなんだか夢のない話だけど^^;
私は、普段はかなり慎ましいのだけど、たまの機会には糸目をつけずどど〜んと使う。
それが使い時かどうかというので財布の紐の緩急が決まるカンジ。
那智さんもここは使うべきところに使うことはもちろんなんだけど、割りと『それが適正かどうか』コストパフォーマンスを重視するのだ。
上質なものにはある程度お金をかけてもまったく問題ないけれど、その程度の質にその金額は不釣り合いというものには厳しい。
どちらが正しい使い方か、それは決められないけれど。
那智さんのその『コストパフォーマンス重視』は時にとても厄介な事態を引き起こすのだ。
それは、恥ずかしがらせるという『いじめっこ気質』と合わさると、とても厄介になる。
それはホテル選び。
いつも行くところなら問題ないのだけど、馴染みではない土地でホテルに入ろうとするとき(いやん、なんか生々しいです)
那智さんはきちんと比較して決めるのだ。
もしコストパフォーマンスが気になるなら、最初からそこに行くことがわかっているのだったら事前に調べればいいだけのことだけど(そういう時もあるけど)、そのホテル選び自体を楽しむ傾向がある。
私が恥ずかしがるからだ。
だから、敢えて、わざと、意識的に、堂々とそれぞれのホテルの前に立ち、敢えて、わざと、意識的に、ゆーっくり吟味する。
ホテル街を歩くだけで、とても恥ずかしくてできる限りさっさと消えてしまいたい私はその横で静かに大騒ぎする。
「どこでもいですよ〜」
「もう、那智さん、早く入って〜」
と小さな声で訴える。
そうすれば、そうするほど、更に、敢えて、わざと、意識的に、じっくり比較しはじめる。
「さっきのところは何時までサービスタイムだった?」
「○時まででした!!那智さんここにしましょ…」
「じゃあ、もと来たところに戻ろう^^」
あ〜、天の邪鬼!!
一見恥ずかしい行為は、堂々とすることで恥ずかしくなくなるというのが那智さんの感覚。
隣りで恥ずかしがる私がいれば、尚更堂々とすることを楽しむのだ。
で、ホテル街を練り歩く。
あ〜、悪趣味!!!
もうそうなると私は腕をガシッと組んでうつむいているしかない。
しかし、付き合いも長くなれば、対処方法もできてくるもの。
それは『ターミネーター』になるのだ!!
それほど馴染みではない場所で入ったことのあるホテルが一軒だけあった。
その日はその土地で会うことになっていたので、必然的にそのホテルへ。
ところが、なんと改装工事をしていて一時閉店状態。
うう、困った。
少し離れたところに他にもいくつかホテルはあるから、そちらに向かう。
そこは普通の商店街なんかがある路地を一本入るとホテルが点在しているような場所で、その一本入るという動きがもう恥ずかしい。
路地を入って、一軒目。
『もう、ここにしましょうよ〜』と思うけど、それを口に出したらダメ。
ぜーったい、敢えて、わざと、意識的に、吟味しはじめる。
だからぐっと我慢。
恥ずかしいのをこらえる。
それでも私の『恥ずかしい』は伝わっていて、一軒目の看板をゆっくり眺めながらスルー^^;
そこから私は『ターミネーター』になるのだ。
二軒目。
遠くに看板。
そこに瞬時に焦点を合わし全神経を集中させて、時間、料金、その他サービス(ジェットバスとか^^)を把握する。
その感じが『ターミネーター』。
キュイ〜ンと焦点を定め、ピピピと情報解析をする、シュワちゃんみたい。
宿泊○○円
休憩○○円(3時間)
サービスタイム○○円(○時〜○時)
前金制
ウェルカムドリンクサービス付き
キュイ〜ン…ピピピ
「なんて書いてある?」
私より視力の悪い那智さんが少し手前で聞く。
きっと私の密かなあわあわを楽しみながら、反面ちょっとだけ急いでくれているのだ。(この両面あるのが那智さん^^)
「○時までサービスタイムで○○円。ウェルカムドリンク付き、です」
瞬時に情報解析。
必要な情報だけお伝えする。
少しでも看板の前にいる時間を短くするように!!
「ふ〜ん」
すぐ、視線を右へ!!
吟味している那智さんの意識が二軒目のうちに、三軒目!!
キュイ〜ン、ピピピピ
宿泊○○円〜
休憩○○円〜(3時間)
サービスタイム 一部○時〜○時 二部○時〜○時 ○○円
全室ジェットバス付き
駐車場有り
「そっちは?」
「二部制でサービスタイム○時〜○時までと○時〜○時まで、それぞれ○○円です。全室ジェットバス付き!!」
あああ、ホントは恥ずかしい、死ぬほど恥ずかしい。
水面下ではジタバタ状態だけど、それを見せずに『ターミネーター』に徹する。
そうしないと、どんどん長くなるのだもの。
恥ずかしい意識を押しやって、三軒目!!!
キュイ〜ン、ピピピ
「じゃあ、さっきのにしよう」
ひとしきり、私の『水面下ジタバタターミネーター』を楽しみ。
恐らく納得のいく物件だったのだろう。
それ以上長引くことはなかったけど、これが『ターミネーター』になっていなければ、もっとおもしろくなってホテル街あと一周なんてことになりかねない^^;
コストパフォーマンス重視+いじめっこ気質さんとホテル街を歩くのは、けっこう骨が折れるのだ。
ホント悪趣味ですよね、那智さん。(みなさん、遠慮なくうなずいてください^^)
わたし、女の子になりたいんですよ。
ターミネーターになんてなりたくなーい^^;
那智さんに対して、笑いのポイントを代表とする『それは私と違うな〜』と思うところはいくつかあって、その中のひとつに金銭感覚というのがある。(笑いのポイントが違う話は『相違点』)
お金をかけるポイントが微妙に違うのだ(お互い大金持ちではないからね、それぞれポイントはある)
お金の使い方なんてなんだか夢のない話だけど^^;
私は、普段はかなり慎ましいのだけど、たまの機会には糸目をつけずどど〜んと使う。
それが使い時かどうかというので財布の紐の緩急が決まるカンジ。
那智さんもここは使うべきところに使うことはもちろんなんだけど、割りと『それが適正かどうか』コストパフォーマンスを重視するのだ。
上質なものにはある程度お金をかけてもまったく問題ないけれど、その程度の質にその金額は不釣り合いというものには厳しい。
どちらが正しい使い方か、それは決められないけれど。
那智さんのその『コストパフォーマンス重視』は時にとても厄介な事態を引き起こすのだ。
それは、恥ずかしがらせるという『いじめっこ気質』と合わさると、とても厄介になる。
それはホテル選び。
いつも行くところなら問題ないのだけど、馴染みではない土地でホテルに入ろうとするとき(いやん、なんか生々しいです)
那智さんはきちんと比較して決めるのだ。
もしコストパフォーマンスが気になるなら、最初からそこに行くことがわかっているのだったら事前に調べればいいだけのことだけど(そういう時もあるけど)、そのホテル選び自体を楽しむ傾向がある。
私が恥ずかしがるからだ。
だから、敢えて、わざと、意識的に、堂々とそれぞれのホテルの前に立ち、敢えて、わざと、意識的に、ゆーっくり吟味する。
ホテル街を歩くだけで、とても恥ずかしくてできる限りさっさと消えてしまいたい私はその横で静かに大騒ぎする。
「どこでもいですよ〜」
「もう、那智さん、早く入って〜」
と小さな声で訴える。
そうすれば、そうするほど、更に、敢えて、わざと、意識的に、じっくり比較しはじめる。
「さっきのところは何時までサービスタイムだった?」
「○時まででした!!那智さんここにしましょ…」
「じゃあ、もと来たところに戻ろう^^」
あ〜、天の邪鬼!!
一見恥ずかしい行為は、堂々とすることで恥ずかしくなくなるというのが那智さんの感覚。
隣りで恥ずかしがる私がいれば、尚更堂々とすることを楽しむのだ。
で、ホテル街を練り歩く。
あ〜、悪趣味!!!
もうそうなると私は腕をガシッと組んでうつむいているしかない。
しかし、付き合いも長くなれば、対処方法もできてくるもの。
それは『ターミネーター』になるのだ!!
それほど馴染みではない場所で入ったことのあるホテルが一軒だけあった。
その日はその土地で会うことになっていたので、必然的にそのホテルへ。
ところが、なんと改装工事をしていて一時閉店状態。
うう、困った。
少し離れたところに他にもいくつかホテルはあるから、そちらに向かう。
そこは普通の商店街なんかがある路地を一本入るとホテルが点在しているような場所で、その一本入るという動きがもう恥ずかしい。
路地を入って、一軒目。
『もう、ここにしましょうよ〜』と思うけど、それを口に出したらダメ。
ぜーったい、敢えて、わざと、意識的に、吟味しはじめる。
だからぐっと我慢。
恥ずかしいのをこらえる。
それでも私の『恥ずかしい』は伝わっていて、一軒目の看板をゆっくり眺めながらスルー^^;
そこから私は『ターミネーター』になるのだ。
二軒目。
遠くに看板。
そこに瞬時に焦点を合わし全神経を集中させて、時間、料金、その他サービス(ジェットバスとか^^)を把握する。
その感じが『ターミネーター』。
キュイ〜ンと焦点を定め、ピピピと情報解析をする、シュワちゃんみたい。
宿泊○○円
休憩○○円(3時間)
サービスタイム○○円(○時〜○時)
前金制
ウェルカムドリンクサービス付き
キュイ〜ン…ピピピ
「なんて書いてある?」
私より視力の悪い那智さんが少し手前で聞く。
きっと私の密かなあわあわを楽しみながら、反面ちょっとだけ急いでくれているのだ。(この両面あるのが那智さん^^)
「○時までサービスタイムで○○円。ウェルカムドリンク付き、です」
瞬時に情報解析。
必要な情報だけお伝えする。
少しでも看板の前にいる時間を短くするように!!
「ふ〜ん」
すぐ、視線を右へ!!
吟味している那智さんの意識が二軒目のうちに、三軒目!!
キュイ〜ン、ピピピピ
宿泊○○円〜
休憩○○円〜(3時間)
サービスタイム 一部○時〜○時 二部○時〜○時 ○○円
全室ジェットバス付き
駐車場有り
「そっちは?」
「二部制でサービスタイム○時〜○時までと○時〜○時まで、それぞれ○○円です。全室ジェットバス付き!!」
あああ、ホントは恥ずかしい、死ぬほど恥ずかしい。
水面下ではジタバタ状態だけど、それを見せずに『ターミネーター』に徹する。
そうしないと、どんどん長くなるのだもの。
恥ずかしい意識を押しやって、三軒目!!!
キュイ〜ン、ピピピ
「じゃあ、さっきのにしよう」
ひとしきり、私の『水面下ジタバタターミネーター』を楽しみ。
恐らく納得のいく物件だったのだろう。
それ以上長引くことはなかったけど、これが『ターミネーター』になっていなければ、もっとおもしろくなってホテル街あと一周なんてことになりかねない^^;
コストパフォーマンス重視+いじめっこ気質さんとホテル街を歩くのは、けっこう骨が折れるのだ。
ホント悪趣味ですよね、那智さん。(みなさん、遠慮なくうなずいてください^^)
わたし、女の子になりたいんですよ。
ターミネーターになんてなりたくなーい^^;