諭され萌え
独特な幸福感
まったく色気のないお話ですが。
関東ならスイカ、関西ならイコカなどなどの、チャージして改札ピッのチャージ。
一度に高額チャージします?
それともちょこちょこチャージします?
合理的な那智さんはもちろん前者で。
わたしは後者。
たいがい最小金額の「1000円」しかチャージしないので、しょっちゅう金額不足で改札で『ピンポン』されてしまう。
気がつけば、切符を買うのとそれほど変わらない頻度で券売機に立ち寄ることになり、いったいどんだけ便利になっているんだかという感じ。
だから、一緒に行動していると、わたしだけ改札で足止めを食らうことがよーくあるのです。
そして、毎度毎度「チャージしとけよ〜」と叱られます。
「なんでいっぱいチャージしないの?」
その度に聞かれます。
那智さんは『少しでも不便より便利なほうがいい』と思う人なので、それに則っていろいろわたしに勧めます。
わたしは『ちょっとくらい不便でも、エコなほうがいい』と思うので、その勧めを断ることが多いのです。
あ、エコっていうとすごく聞こえがいいけれど、エコロジーよりもエコノミーのほうが多数を占めていると思うし、もっというと『現状を変える努力』に対する省エネというのは一番大きい。
わかりやすくいうと、『お金かかるし、変えるのめんどくさーい』というのが最大の理由。
原付バイクなんて散々勧められた。
ちょうど父が入院していた頃。
交通機関を使うにはちょっと面倒な病院で、手っ取り早くわたしは自転車を漕いで通院していた。
そんなわたしを見て、那智さんはバイクを勧めるのだ。
今回だけではなく、今後もっと不便な場所の病院に両親がお世話になるかもしれない。
その時にはバイクは便利。
『じゃあ、そのときになったら考えます』とはぐらかすわたしに、早いうちから乗ることに慣れていたほうがいいなどと、わたしの運動能力まで考えて勧めてくれる。(ほんと、お父さん^^)
那智さんの言うことはもっともなんだけど。
いまからバイクの練習してバイク買って駐車場確保してって、すんごい労力なのだ、わたしには^^;
別に引きこもりじゃないけれど、簡単に現状で満足できてしまうので、逆に現状を変えることにすごくパワーがいるのだ。
それに、バイク代や維持費を考えたら、交通機関を使う通院のほうが安上がりじゃない?なんても思ったりして。
って、話しが逸れましたが。
そうやって、勧めることのひとつが『たっぷりチャージ』なわけですね。
だから「なんでチャージしないの?」と聞いてくる。
毎度、勧められてはもっともらしい理由を並べて『不便だけど、現状を変えない』ようにするのだけど、大きな理由がふたつあって。
ひとつは。
たくさんチャージして落としたら大変。
これは、お金を大事にしている印象が感じられる表向きの理由。
もうひとつは。
たっぷりチャージしてあると、交通費を支払うことに対して無頓着になりそうじゃありません?
それが嫌なのです。
常にギリギリのチャージ金しかなければ、無駄に使おうと思わないでしょ?
ああ、もうあんまり入っていないから、最寄りじゃないけど安い○○線の駅を使おうとか、バス乗るのやめて歩こうとか、そういう方向に考えがいくと思うのです。
たっぷりあると、『まあ、いっかバス乗っても』とか、わたしはなりそうで。
これは、わたしの住んでいるところが比較的交通機関に恵まれていているので、こういう幸運な選択ができるとも思うのですが。
とにかく、まあ、ケチだってことで、これが裏の本当の理由^^;
(飲み代とかタクシー代とかは全然惜しくないのだけどね、ケチポイントがあるらしい)
ちょっと不便でもエコなわけです。
何度か説明して、特に裏のケチ理由で納得してもらって、それ以来は勧められなくなったのだけど。
那智さん、けっこう忘れっぽくって、時々わたしがチャージ不足で足止めを食らっていると『ったく〜』と呆れて、理由を聞いてくる。
「なんでいっぱいチャージしないの?」
この日は電話で話しながらの時だった。
那智さんはお仕事場で、わたしは別の用事で移動中。
話せるタイミングだったので、電車を降りて他愛もない話しをしながら改札へ。
そこで『不足です!!』ってピンポン鳴っちゃったんだ。
あ〜あ、またやっちゃった。
後ろの人滞ってしまってごめんなさい。
そんなふうに思いながら精算機に向かう。
「那智さん、いま那智さんと一緒じゃなくてよかったです〜。」
「なんで?」
「チャージ不足になっちゃったから^^;また叱られる。」
「あはは、そうだね、で、なんでいっぱいチャージしないの?」
那智さん、また聞いてきた。
多分、納得できる理由を聞いている記憶はあるのでしょうけど、すぐ思い出せなくてつい聞いたのでしょう。
そう思ってとりあえず『表向き理由』から言う。
「たくさんチャージして、万が一落としたら大変じゃないですか!?」
「あのね、りん子…」
ちょっと呆れ気味の、でも諭すような口調で。
「あのね、りん子。りん子は普段それを財布に入れてるよな。」
ああ、ダメ、その言い含めるような感じ、すてき。
「はい。」
「りん子は財布を落とすことを前提にして持ち歩いてる?」
「ああ、那智さん、こういうの好き。」
「はあ?」
「そんなふうに諭されるの、すごくいい。那智さん、すてき。」
「はぁぁ〜、何言ってんの!?」
「だから、諭されるのが嬉しいって。」
「ばかじゃないの!?」
呆れながらも気を取り直し。
「…だから、りん子は財布を落とすつもりでいますか?」
「いいえ〜^^いやん、すてき那智さん♪」
「…」
「あ、那智さん諭す気なくなっちゃいました?」
「うん、戦意喪失(笑)」
だって〜、とってもよかったんだもの〜。
諭されるの、いい。
この後裏の理由を聞いて、納得を思い出した那智さん。
こんなことがあったから、当分「なんで」と聞いてくることはないでしょう。
でも、忘れっぽい那智さんのことだから、しばらくしたらまた諭してくれるかもしれない。
だから、ケチで諭され萌えのわたしは、これからも『少なめチャージ』のままでいこうと思うのだ。
まったく色気のないお話ですが。
関東ならスイカ、関西ならイコカなどなどの、チャージして改札ピッのチャージ。
一度に高額チャージします?
それともちょこちょこチャージします?
合理的な那智さんはもちろん前者で。
わたしは後者。
たいがい最小金額の「1000円」しかチャージしないので、しょっちゅう金額不足で改札で『ピンポン』されてしまう。
気がつけば、切符を買うのとそれほど変わらない頻度で券売機に立ち寄ることになり、いったいどんだけ便利になっているんだかという感じ。
だから、一緒に行動していると、わたしだけ改札で足止めを食らうことがよーくあるのです。
そして、毎度毎度「チャージしとけよ〜」と叱られます。
「なんでいっぱいチャージしないの?」
その度に聞かれます。
那智さんは『少しでも不便より便利なほうがいい』と思う人なので、それに則っていろいろわたしに勧めます。
わたしは『ちょっとくらい不便でも、エコなほうがいい』と思うので、その勧めを断ることが多いのです。
あ、エコっていうとすごく聞こえがいいけれど、エコロジーよりもエコノミーのほうが多数を占めていると思うし、もっというと『現状を変える努力』に対する省エネというのは一番大きい。
わかりやすくいうと、『お金かかるし、変えるのめんどくさーい』というのが最大の理由。
原付バイクなんて散々勧められた。
ちょうど父が入院していた頃。
交通機関を使うにはちょっと面倒な病院で、手っ取り早くわたしは自転車を漕いで通院していた。
そんなわたしを見て、那智さんはバイクを勧めるのだ。
今回だけではなく、今後もっと不便な場所の病院に両親がお世話になるかもしれない。
その時にはバイクは便利。
『じゃあ、そのときになったら考えます』とはぐらかすわたしに、早いうちから乗ることに慣れていたほうがいいなどと、わたしの運動能力まで考えて勧めてくれる。(ほんと、お父さん^^)
那智さんの言うことはもっともなんだけど。
いまからバイクの練習してバイク買って駐車場確保してって、すんごい労力なのだ、わたしには^^;
別に引きこもりじゃないけれど、簡単に現状で満足できてしまうので、逆に現状を変えることにすごくパワーがいるのだ。
それに、バイク代や維持費を考えたら、交通機関を使う通院のほうが安上がりじゃない?なんても思ったりして。
って、話しが逸れましたが。
そうやって、勧めることのひとつが『たっぷりチャージ』なわけですね。
だから「なんでチャージしないの?」と聞いてくる。
毎度、勧められてはもっともらしい理由を並べて『不便だけど、現状を変えない』ようにするのだけど、大きな理由がふたつあって。
ひとつは。
たくさんチャージして落としたら大変。
これは、お金を大事にしている印象が感じられる表向きの理由。
もうひとつは。
たっぷりチャージしてあると、交通費を支払うことに対して無頓着になりそうじゃありません?
それが嫌なのです。
常にギリギリのチャージ金しかなければ、無駄に使おうと思わないでしょ?
ああ、もうあんまり入っていないから、最寄りじゃないけど安い○○線の駅を使おうとか、バス乗るのやめて歩こうとか、そういう方向に考えがいくと思うのです。
たっぷりあると、『まあ、いっかバス乗っても』とか、わたしはなりそうで。
これは、わたしの住んでいるところが比較的交通機関に恵まれていているので、こういう幸運な選択ができるとも思うのですが。
とにかく、まあ、ケチだってことで、これが裏の本当の理由^^;
(飲み代とかタクシー代とかは全然惜しくないのだけどね、ケチポイントがあるらしい)
ちょっと不便でもエコなわけです。
何度か説明して、特に裏のケチ理由で納得してもらって、それ以来は勧められなくなったのだけど。
那智さん、けっこう忘れっぽくって、時々わたしがチャージ不足で足止めを食らっていると『ったく〜』と呆れて、理由を聞いてくる。
「なんでいっぱいチャージしないの?」
この日は電話で話しながらの時だった。
那智さんはお仕事場で、わたしは別の用事で移動中。
話せるタイミングだったので、電車を降りて他愛もない話しをしながら改札へ。
そこで『不足です!!』ってピンポン鳴っちゃったんだ。
あ〜あ、またやっちゃった。
後ろの人滞ってしまってごめんなさい。
そんなふうに思いながら精算機に向かう。
「那智さん、いま那智さんと一緒じゃなくてよかったです〜。」
「なんで?」
「チャージ不足になっちゃったから^^;また叱られる。」
「あはは、そうだね、で、なんでいっぱいチャージしないの?」
那智さん、また聞いてきた。
多分、納得できる理由を聞いている記憶はあるのでしょうけど、すぐ思い出せなくてつい聞いたのでしょう。
そう思ってとりあえず『表向き理由』から言う。
「たくさんチャージして、万が一落としたら大変じゃないですか!?」
「あのね、りん子…」
ちょっと呆れ気味の、でも諭すような口調で。
「あのね、りん子。りん子は普段それを財布に入れてるよな。」
ああ、ダメ、その言い含めるような感じ、すてき。
「はい。」
「りん子は財布を落とすことを前提にして持ち歩いてる?」
「ああ、那智さん、こういうの好き。」
「はあ?」
「そんなふうに諭されるの、すごくいい。那智さん、すてき。」
「はぁぁ〜、何言ってんの!?」
「だから、諭されるのが嬉しいって。」
「ばかじゃないの!?」
呆れながらも気を取り直し。
「…だから、りん子は財布を落とすつもりでいますか?」
「いいえ〜^^いやん、すてき那智さん♪」
「…」
「あ、那智さん諭す気なくなっちゃいました?」
「うん、戦意喪失(笑)」
だって〜、とってもよかったんだもの〜。
諭されるの、いい。
この後裏の理由を聞いて、納得を思い出した那智さん。
こんなことがあったから、当分「なんで」と聞いてくることはないでしょう。
でも、忘れっぽい那智さんのことだから、しばらくしたらまた諭してくれるかもしれない。
だから、ケチで諭され萌えのわたしは、これからも『少なめチャージ』のままでいこうと思うのだ。