笑うSM
独特な幸福感
ちょっと違うわんこ遊びをしてみた。
ホテルに入って裸になって首輪にリード。
人目がないとつまらないと那智さんは言うけれど、今日は何か違う楽しみを模索しようとしているらしい。
公道で四つん這いになるときの大きなうねりのような快感はないでしょうけれど、安心して那智さんのわんこになるのは、わたしとしては待ってました!!という感じで、うきうきする。
「じゃあ、いまからわんこね。」
そう言われ、カチャンと首輪にリードを繋げられたら、わたしは那智さんの犬になる。
四つん這いで『わん』以外は口にしちゃいけない。
ソファに腰掛けた那智さんが「おいで」なんて言ってくれちゃうと嬉々として四つん這いで近寄ってしまう。
テーブルとの狭い隙間に無理矢理収まろうと那智さんの足をぐりぐりと押しのける身勝手な行動も犬っぽくていいななんて嬉しくなったり。
そのうち、本物の犬用の器に那智さんがおしっこを入れきて「喉が渇いたらいつでも飲んでいいからね」といいながら床にポンと置いた。
確かにちょっと喉が渇いてるな。
顔を近づけ、舌でぺろぺろ。
喉が潤ったら、やめる。
しばらくして、また喉が渇いたら気の向くままに器に顔を沈めた。
全部飲まなきゃとかこぼしちゃいけないなんて思わずに、純粋に喉の乾きを癒すために飲むというのも、とても自由度が高くて、これもわんこっぽくて嬉しい。
「おいしい?」
「わん!!」
なんて、会話^^;
冷静に見れば滑稽な様子なんだけど、非常に上機嫌でわんこになっていた。
犬だから、乳首を捻り潰されても『わん』、おまんこに指を入れられても『わん』。
ときどき喘ぎ声になってしまうと、頭をばしっ。
自由度は高いけど、これだけ不自由。
撫でられたり、放っておかれたり、気持ちよくしてもらったり。
ずいぶん長い時間わんこだった。
床の上で後ろから犯されたときなどは、心の中で「那智さん、獣姦です^^;」なんて思ったりしながらも、その時間を満喫していた。
ひとつ笑ってしまったことがあって。
わんこに電マを使おうということになって、その前におしっこしようとバスルームへ。
わたしは電マを使うとすぐおしっこが出ちゃうんだ、で、どこかを汚してしまわないか、それが気になってしまってせっかくの快感を逃してしまうの。
だから、最初に空っぽにしておくとその可能性が低くなるから、先にトイレに行くことがある。
おしっこ出しながら快感〜って没頭できにくんだな、わたしは。
当然四つん這いでバスルームに入り、洗面所からリードを持つ那智さんの見守るなか、片足を上げて犬のおしっこポーズをする。
でも、出ない。
元々尿意のないところで、ただでさえ見られながら犬のおしっこなんだもの、緊張もするし出ないよね。
どうしよう。
きっとね、ここじゃ出ないんだ。
トイレに座ったら条件反射で出る可能性もあると思うんだけどな〜。
でも、犬だから「トイレでさせてください」なんて言えないし。
だけど、このおしっこの目的は『空っぽ』にすることだから、犬だとしても目的達成のために「トイレに座ればでるかも」と言ってもいいような気もする。
悩みながら、おしっこポーズをやめて那智さんを見上げてみる。
「どうした?出ない?」
「わん」
「じゃ、しょうがないな。」
そう言ってリードを引き洗面所を出ようとする那智さんを動かないという方法で呼んでみる。
「ん?どうした?」
ピンと張ったリードに気づいて那智さんが振り向いた。
とりあえず口をきかずに伝えてみようと思って「わん」といいながら、トイレに目線を送ってみる。
「なに?出るの?」
「わん」
首を振り否定。
「なに?」
もう、もどかしい〜。
「わん」
しゃがんだまま、小さくトイレを指差してみる。
「トイレ?だめだよ。するならお風呂。」
だから〜、違うの那智さん〜!
それほど尿意はないけれど、おしっこをしたほうがいいのだから、それならトイレに座れば出るかもしれませんよ!!ということを「わん」とゼスチャーだけで伝えることはかなり困難だった。
那智さんも、わたしがなにか訴えているらしいことは理解できているみたいなんだけど、全然意思の疎通ができない^^;
しゃべりたい。
しゃべってもいい?
思わず、那智さんを見上げながら、手を口元に持っていきくちばしのようにパクパクさせて『しゃべっていいか』伝えてみた。
それは伝わったみたいで「だめ」と言われてしまう。
そのあと、顔を見合わせて「ぷぷー」と吹き出してしまった。
「だめだよ〜」
そういいながら部屋に戻る那智さんにリードを引かれてついていく。
笑いながら、とても自然に四つん這いで。
もどかしくて、苦肉の策で手でパクパクさせることの滑稽さに、ふたりして笑ってしまった。
SMって、意外とまぬけな場面ってありません?
それとか、すごく気になることができてしまったり。
ずっと官能の世界が繰り広げられているものじゃないですよね。
でも、そこで、それに反応してはいけないという空気もあると思う。
SモードやMスイッチみたいに切り替えがあると特にそうなんじゃないかな。
ほんとうはSMなんて非日常を前提としているものでしょうから、役割分担してしまえたほうが没頭しやすいかもしれないのですが。
わたしは、相手に気を使いすぎることがあるので、まぬけなことに反応したりや気になることを口にしてしまってはいけないと、逆にそればっかりが気になっちゃって気もそぞろ、結局『役割を演じる』ような感覚を捨てられないままで、没頭できないといいことが多かった気がする。
那智さんは、わたしとは『意識しないでSMができる』といい、わたしには『SMを意識するな』と言い続けた。
『SMを意識しない』ということは、既成の言葉や役割分担に捕われるなということで、日常と非日常の区別をしないでいられる。
『こうあるべき』という既成から外れると、わたしをいろんな『気がかり』や『制約』から解放してくれる。
性的な場面でわたしは過剰な気遣いをせずにいられる要因にもなっているのだ。
威厳あるご主人様でも冷徹なサディストでもないから『ぷぷー』って吹き出せるし、完全服従のM奴隷でもないから『鼻くそついてます』と指摘もできてしまう(これも実話^^)。
役割分担をしてしまったほうがある意味楽かもしれないけれど、それをせず。
気にしぃのわたしが、このまぬけなシーンで笑ってしまえたことに、そして、そのあともごく普通に四つん這いでいられたことも、ある意味驚いてしまった。
自然体で笑ったり『わんこ』になれたりが心地よかった。
手を繋ぐようにキスをするように。
ビンタされたり、おしっこを飲んだりできる。
日常の延長のように。
モード切り替えがないとはいえ、鞭を振るうときのふっと見せる冷ややかで楽しそうな目などはSモードなんだろうな〜と思うし、髪をぐいっと引かれると胸が締め付けられてしまうときなどはMスイッチだと思うけど。
それに、日常の延長戦とはいっても、快感は喜びの大きさは日常では得難いもので、日常ではあり得ない反応とかしちゃうんですけどもね^^;
基本的に、わたしがSM的なをするときに役割分担や非日常感を意識しないでいられるのはとても楽だなと思う。
ちょっと違うわんこ遊びをしてみた。
ホテルに入って裸になって首輪にリード。
人目がないとつまらないと那智さんは言うけれど、今日は何か違う楽しみを模索しようとしているらしい。
公道で四つん這いになるときの大きなうねりのような快感はないでしょうけれど、安心して那智さんのわんこになるのは、わたしとしては待ってました!!という感じで、うきうきする。
「じゃあ、いまからわんこね。」
そう言われ、カチャンと首輪にリードを繋げられたら、わたしは那智さんの犬になる。
四つん這いで『わん』以外は口にしちゃいけない。
ソファに腰掛けた那智さんが「おいで」なんて言ってくれちゃうと嬉々として四つん這いで近寄ってしまう。
テーブルとの狭い隙間に無理矢理収まろうと那智さんの足をぐりぐりと押しのける身勝手な行動も犬っぽくていいななんて嬉しくなったり。
そのうち、本物の犬用の器に那智さんがおしっこを入れきて「喉が渇いたらいつでも飲んでいいからね」といいながら床にポンと置いた。
確かにちょっと喉が渇いてるな。
顔を近づけ、舌でぺろぺろ。
喉が潤ったら、やめる。
しばらくして、また喉が渇いたら気の向くままに器に顔を沈めた。
全部飲まなきゃとかこぼしちゃいけないなんて思わずに、純粋に喉の乾きを癒すために飲むというのも、とても自由度が高くて、これもわんこっぽくて嬉しい。
「おいしい?」
「わん!!」
なんて、会話^^;
冷静に見れば滑稽な様子なんだけど、非常に上機嫌でわんこになっていた。
犬だから、乳首を捻り潰されても『わん』、おまんこに指を入れられても『わん』。
ときどき喘ぎ声になってしまうと、頭をばしっ。
自由度は高いけど、これだけ不自由。
撫でられたり、放っておかれたり、気持ちよくしてもらったり。
ずいぶん長い時間わんこだった。
床の上で後ろから犯されたときなどは、心の中で「那智さん、獣姦です^^;」なんて思ったりしながらも、その時間を満喫していた。
ひとつ笑ってしまったことがあって。
わんこに電マを使おうということになって、その前におしっこしようとバスルームへ。
わたしは電マを使うとすぐおしっこが出ちゃうんだ、で、どこかを汚してしまわないか、それが気になってしまってせっかくの快感を逃してしまうの。
だから、最初に空っぽにしておくとその可能性が低くなるから、先にトイレに行くことがある。
おしっこ出しながら快感〜って没頭できにくんだな、わたしは。
当然四つん這いでバスルームに入り、洗面所からリードを持つ那智さんの見守るなか、片足を上げて犬のおしっこポーズをする。
でも、出ない。
元々尿意のないところで、ただでさえ見られながら犬のおしっこなんだもの、緊張もするし出ないよね。
どうしよう。
きっとね、ここじゃ出ないんだ。
トイレに座ったら条件反射で出る可能性もあると思うんだけどな〜。
でも、犬だから「トイレでさせてください」なんて言えないし。
だけど、このおしっこの目的は『空っぽ』にすることだから、犬だとしても目的達成のために「トイレに座ればでるかも」と言ってもいいような気もする。
悩みながら、おしっこポーズをやめて那智さんを見上げてみる。
「どうした?出ない?」
「わん」
「じゃ、しょうがないな。」
そう言ってリードを引き洗面所を出ようとする那智さんを動かないという方法で呼んでみる。
「ん?どうした?」
ピンと張ったリードに気づいて那智さんが振り向いた。
とりあえず口をきかずに伝えてみようと思って「わん」といいながら、トイレに目線を送ってみる。
「なに?出るの?」
「わん」
首を振り否定。
「なに?」
もう、もどかしい〜。
「わん」
しゃがんだまま、小さくトイレを指差してみる。
「トイレ?だめだよ。するならお風呂。」
だから〜、違うの那智さん〜!
それほど尿意はないけれど、おしっこをしたほうがいいのだから、それならトイレに座れば出るかもしれませんよ!!ということを「わん」とゼスチャーだけで伝えることはかなり困難だった。
那智さんも、わたしがなにか訴えているらしいことは理解できているみたいなんだけど、全然意思の疎通ができない^^;
しゃべりたい。
しゃべってもいい?
思わず、那智さんを見上げながら、手を口元に持っていきくちばしのようにパクパクさせて『しゃべっていいか』伝えてみた。
それは伝わったみたいで「だめ」と言われてしまう。
そのあと、顔を見合わせて「ぷぷー」と吹き出してしまった。
「だめだよ〜」
そういいながら部屋に戻る那智さんにリードを引かれてついていく。
笑いながら、とても自然に四つん這いで。
もどかしくて、苦肉の策で手でパクパクさせることの滑稽さに、ふたりして笑ってしまった。
SMって、意外とまぬけな場面ってありません?
それとか、すごく気になることができてしまったり。
ずっと官能の世界が繰り広げられているものじゃないですよね。
でも、そこで、それに反応してはいけないという空気もあると思う。
SモードやMスイッチみたいに切り替えがあると特にそうなんじゃないかな。
ほんとうはSMなんて非日常を前提としているものでしょうから、役割分担してしまえたほうが没頭しやすいかもしれないのですが。
わたしは、相手に気を使いすぎることがあるので、まぬけなことに反応したりや気になることを口にしてしまってはいけないと、逆にそればっかりが気になっちゃって気もそぞろ、結局『役割を演じる』ような感覚を捨てられないままで、没頭できないといいことが多かった気がする。
那智さんは、わたしとは『意識しないでSMができる』といい、わたしには『SMを意識するな』と言い続けた。
『SMを意識しない』ということは、既成の言葉や役割分担に捕われるなということで、日常と非日常の区別をしないでいられる。
『こうあるべき』という既成から外れると、わたしをいろんな『気がかり』や『制約』から解放してくれる。
性的な場面でわたしは過剰な気遣いをせずにいられる要因にもなっているのだ。
威厳あるご主人様でも冷徹なサディストでもないから『ぷぷー』って吹き出せるし、完全服従のM奴隷でもないから『鼻くそついてます』と指摘もできてしまう(これも実話^^)。
役割分担をしてしまったほうがある意味楽かもしれないけれど、それをせず。
気にしぃのわたしが、このまぬけなシーンで笑ってしまえたことに、そして、そのあともごく普通に四つん這いでいられたことも、ある意味驚いてしまった。
自然体で笑ったり『わんこ』になれたりが心地よかった。
手を繋ぐようにキスをするように。
ビンタされたり、おしっこを飲んだりできる。
日常の延長のように。
モード切り替えがないとはいえ、鞭を振るうときのふっと見せる冷ややかで楽しそうな目などはSモードなんだろうな〜と思うし、髪をぐいっと引かれると胸が締め付けられてしまうときなどはMスイッチだと思うけど。
それに、日常の延長戦とはいっても、快感は喜びの大きさは日常では得難いもので、日常ではあり得ない反応とかしちゃうんですけどもね^^;
基本的に、わたしがSM的なをするときに役割分担や非日常感を意識しないでいられるのはとても楽だなと思う。