原体験
独特な幸福感
今日は愛すべきわたしの父のお話から。
父は姉ばかり溺愛した。
わたしは父から愛されていない。
だから、愛される価値があると思えない。
そんなことをいっぱい書いてきた。
それは、那智さんとわたしの関係をお話しするのに不可欠なことだったから、そこにスポットを当ててみているだけでして、世の中には、もっともっと厳しい状況を生き抜いている人がいるので、わたしの経験はとてもましなほうだと思ってます。
ただ、子供のような父に、いつも翻弄されていて、いつどこでまた父の機嫌が悪くなってしまうか、心の底でいつも『ヒヤヒヤ』していたことは確かでした。
岩月健司さんの著書の中で。
父性愛の足りない父親に育てられると、そんな父を毛嫌いしながらも似たようなタイプの男性を選んでしまって、結局幸せになれないということが書かれいていた。
なぜ、選んでしまうこというと、幼い頃、少女にとって父親からの愛情は必要不可欠なもの(愛される価値を持つためにね)。
だけど、適切な愛情を注げない父親を持つ少女は、愛情をくれないお父さんが『悪い』と思わず、もらえない自分が悪いのだと思うようになる。
なぜなら、自分が悪ければ、もしかしたらもらえるようになるかもしれないけど、お父さんが愛情のない人だったら絶対もらえないのだから、その絶望から逃れるために『お父さんは悪くない』と思うおうとするのだ。
だから、一生懸命お父さんを好きになろうとする、それが幼い子の生き延びる術だったからね。
それが無意識のうちに根付いてしまって、大人になったから『ダメ父と似たような男性』とばかり付き合うようになるのだ。
父親と似たタイプと付き合い、似たタイプに好かれることで、幼い頃もらえなかったものを補おうとしているのかもしれない。
だけど、ダメ父に似ているのだから、ダメ男なわけで、うまくいくはずないのですね。
子供のような父だった。
これを言うと相手がどう思うかという配慮のできない人。
だから、姉を溺愛する。
自分の気分で機嫌が上下する人だったので、わたしはもちろん溺愛されている姉だって結局は八つ当たりの的になるわけで、わたしたちその『大人の子供』にずいぶん振り回されていた。
ふざけて、ゴキブリを捕まえては、わたしたちに見せて脅かす。
怖がる娘を見て、更にくっつけようとする。
「おとーさん、やめてーー」
心の底から真剣に訴えてもおもしろがって聞いてくれない。
親戚の家に集まった帰りの電車。
降りる駅が近づいているのに酔っぱらって「俺は降りね〜」と言って座席から立ち上がってくれない。
「おとーさん、降りようよーー」そういって手を引っ張れば引っ張るほど、座席に体をうずめて動いてくれないい。
もう、半べそで必死になってお願いするのだ。
こんなこともあった。
動物園に行った。
父は虎の檻の前で柵から身を出し鞄で檻をたたき出すのだ。
虎が近づいて来て、その挑発に乗って檻の中で暴れ出す。
寝ている虎よりこっちのほうが面白いというのだ。
だけど、恐がりのわたしは、怖くて怖くてしかたなかった。
そして、『おかしなことをする人』の周りに人だかりができて、怖くて恥ずかしくてとても苦しかったことを覚えている。
どれも、もちろんどこかの家庭にもあるようなお話かもしれない。
だけど、相手は『大人の子供』。
限度を知らない。
その限度を知らないことを知っているから、それが『父と娘』のじゃれ合いっこにはならないのだ。
常にヒヤヒヤして不安が付きまとっていた。
ゴキブリをくっつけられそうになっても、「そんなお父さん嫌い」とそっぽを向けたらよかったかもしれない。
電車を降りない父、虎を威嚇する父、いやなら放っておけばよかったのかもしれない。
でも、ここが厄介なところで、お父さんに好かれたいわたしは、この子供のような父を突き放せない。
結果、いつまでもその父に翻弄されるような状態だったのだ。
気がつけば、選ぶ男性は『母性本能をくすぐるタイプ』ばかり。
それが好きなタイプと思っていたわたしは、なぜ急に嫌いになっていまうのか、不思議でならなかった。
岩月健司さんの本を読んで、那智さんに出会って、『ああ、わたしは父に似たタイプを選んでいたんだ』と気づいたときには、読んでいた電車の中で抑えるのが難しいほど涙が溢れてしまった。
那智さんは、違う。
父性豊でいつも感情に上下がなく、いつも安心の安定供給をしてもらっている。
だから、わたしは『愛される価値がある』と思えるようになっている。
と、いつものパターンになりながら…。
でも、今日ここで書いている『父』。
なんか、ちょっと似てません?那智さんと。
そう。
わたし、最近気づいたの。
わたしをからかったり、怖がらせたり、翻弄させたり、天の邪鬼だったり。
似ている。
以前、遊園地に行ったとき。
乗り場まで続く通路に飾り窓のようなものを、少し先を歩く那智さんがそれを覗いて『おお♪』って表情する。
わたしも『なに?なに!?』って覗く。
「別になんにもないよ(笑)」
もう!!那智さんったら!!!
別なとき。
バスに乗る時間が迫っていて、急ぎ足で角を曲がる。
先に曲がった那智さんが、ひょいと顔を覗かせ『バス来てる!!』というアクションをする。
慌てて角を曲がると、バスが来る気配なんてこれっぽっちもない。
「うそだよ〜(笑)」
もう!!那智さんったら!!!
バリウム検査のときだって、クラリスのときだって、ホテルの廊下だって、どれもこれも『からかって遊ぶ』という行為だけとれば、父のそれと似ている。
岩月健司さんの著書とは違う。
まあ、そんなのは当たり前で、書いてあることがすべて正解ではないものね。
わたしの場合は。
本質はまったく『父』とは違う那智さんに。
『父』と似た行為をされている。
それで幸せを感じているのだ。(けっこう、このじゃれ合いっこはわたしたちの『核』だったりする)
わたしは。
ゴキブリを見せる父に「やめて!」と訴え、「本気にしないの〜」って笑ってほしかったのかもしれない。
電車で降りないふりをして「でも、一緒に帰ろうね」と最後は手を繋いでほしかったのかもしれない。
虎を威嚇する行為を、別な『りん子を楽しませる』行為に代えてほしかったのかもしれない。
幼い頃したかった、安心の上に成り立つじゃれ合いっこを、『父』と似た方法で那智さんとしているのかもしれないなと思うのだ。
那智さんは聖人君子でもないし、神様でもない。
『ダメ父』と違うからといって、完璧な男性ということでもない。
だから、天の邪鬼さんだし、わたしをからかって遊ぶ、驚かないとエスカレートしたりもする^^;
だけど、どうやら、それはわたしにとっては、『価値がある』と思えることの他に、もうひとつの埋めたいことだったみたいなのだ。
それが。
本質はまったく『父』とは違う那智さんに。
『父』と似た行為をされる。
こういう形になって現れているのではないだろうか。
だから、那智さんは聖人君子でもなんでもない。
だけど、わたしには、とてもとても『合っている』と思うのだ。
いつも思う。
自分の心、望みや欲求を知ることは、なんて面白いのだろう。
そして、それを見つけると、何か叶う道に繋がるような気がする。
先日読んだ小説で。
『私たちはなぜ年を重ねるのだろう』っていう言葉があった。
『また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。』と。
わたしは年を重ね、新しいわたしに出会う。
そして、欲しかったものを手に入れる。
那智さんと会話し、こうやって言語化することで新しいわたしが縁取られる。
年を重ねるのも悪くないなぁと、ブログを続けながら思うのだ。
ところで、虎の檻で威嚇する父の周りに人だかりができて『怖くて、とても恥ずかしかった』って。
人前で『怖くて、恥ずかしいこと』してません?わたしたち。
こじつけるのが好きなわたしは、『これも埋める行為か!?』と思うのでした^^
今日は愛すべきわたしの父のお話から。
父は姉ばかり溺愛した。
わたしは父から愛されていない。
だから、愛される価値があると思えない。
そんなことをいっぱい書いてきた。
それは、那智さんとわたしの関係をお話しするのに不可欠なことだったから、そこにスポットを当ててみているだけでして、世の中には、もっともっと厳しい状況を生き抜いている人がいるので、わたしの経験はとてもましなほうだと思ってます。
ただ、子供のような父に、いつも翻弄されていて、いつどこでまた父の機嫌が悪くなってしまうか、心の底でいつも『ヒヤヒヤ』していたことは確かでした。
岩月健司さんの著書の中で。
父性愛の足りない父親に育てられると、そんな父を毛嫌いしながらも似たようなタイプの男性を選んでしまって、結局幸せになれないということが書かれいていた。
なぜ、選んでしまうこというと、幼い頃、少女にとって父親からの愛情は必要不可欠なもの(愛される価値を持つためにね)。
だけど、適切な愛情を注げない父親を持つ少女は、愛情をくれないお父さんが『悪い』と思わず、もらえない自分が悪いのだと思うようになる。
なぜなら、自分が悪ければ、もしかしたらもらえるようになるかもしれないけど、お父さんが愛情のない人だったら絶対もらえないのだから、その絶望から逃れるために『お父さんは悪くない』と思うおうとするのだ。
だから、一生懸命お父さんを好きになろうとする、それが幼い子の生き延びる術だったからね。
それが無意識のうちに根付いてしまって、大人になったから『ダメ父と似たような男性』とばかり付き合うようになるのだ。
父親と似たタイプと付き合い、似たタイプに好かれることで、幼い頃もらえなかったものを補おうとしているのかもしれない。
だけど、ダメ父に似ているのだから、ダメ男なわけで、うまくいくはずないのですね。
子供のような父だった。
これを言うと相手がどう思うかという配慮のできない人。
だから、姉を溺愛する。
自分の気分で機嫌が上下する人だったので、わたしはもちろん溺愛されている姉だって結局は八つ当たりの的になるわけで、わたしたちその『大人の子供』にずいぶん振り回されていた。
ふざけて、ゴキブリを捕まえては、わたしたちに見せて脅かす。
怖がる娘を見て、更にくっつけようとする。
「おとーさん、やめてーー」
心の底から真剣に訴えてもおもしろがって聞いてくれない。
親戚の家に集まった帰りの電車。
降りる駅が近づいているのに酔っぱらって「俺は降りね〜」と言って座席から立ち上がってくれない。
「おとーさん、降りようよーー」そういって手を引っ張れば引っ張るほど、座席に体をうずめて動いてくれないい。
もう、半べそで必死になってお願いするのだ。
こんなこともあった。
動物園に行った。
父は虎の檻の前で柵から身を出し鞄で檻をたたき出すのだ。
虎が近づいて来て、その挑発に乗って檻の中で暴れ出す。
寝ている虎よりこっちのほうが面白いというのだ。
だけど、恐がりのわたしは、怖くて怖くてしかたなかった。
そして、『おかしなことをする人』の周りに人だかりができて、怖くて恥ずかしくてとても苦しかったことを覚えている。
どれも、もちろんどこかの家庭にもあるようなお話かもしれない。
だけど、相手は『大人の子供』。
限度を知らない。
その限度を知らないことを知っているから、それが『父と娘』のじゃれ合いっこにはならないのだ。
常にヒヤヒヤして不安が付きまとっていた。
ゴキブリをくっつけられそうになっても、「そんなお父さん嫌い」とそっぽを向けたらよかったかもしれない。
電車を降りない父、虎を威嚇する父、いやなら放っておけばよかったのかもしれない。
でも、ここが厄介なところで、お父さんに好かれたいわたしは、この子供のような父を突き放せない。
結果、いつまでもその父に翻弄されるような状態だったのだ。
気がつけば、選ぶ男性は『母性本能をくすぐるタイプ』ばかり。
それが好きなタイプと思っていたわたしは、なぜ急に嫌いになっていまうのか、不思議でならなかった。
岩月健司さんの本を読んで、那智さんに出会って、『ああ、わたしは父に似たタイプを選んでいたんだ』と気づいたときには、読んでいた電車の中で抑えるのが難しいほど涙が溢れてしまった。
那智さんは、違う。
父性豊でいつも感情に上下がなく、いつも安心の安定供給をしてもらっている。
だから、わたしは『愛される価値がある』と思えるようになっている。
と、いつものパターンになりながら…。
でも、今日ここで書いている『父』。
なんか、ちょっと似てません?那智さんと。
そう。
わたし、最近気づいたの。
わたしをからかったり、怖がらせたり、翻弄させたり、天の邪鬼だったり。
似ている。
以前、遊園地に行ったとき。
乗り場まで続く通路に飾り窓のようなものを、少し先を歩く那智さんがそれを覗いて『おお♪』って表情する。
わたしも『なに?なに!?』って覗く。
「別になんにもないよ(笑)」
もう!!那智さんったら!!!
別なとき。
バスに乗る時間が迫っていて、急ぎ足で角を曲がる。
先に曲がった那智さんが、ひょいと顔を覗かせ『バス来てる!!』というアクションをする。
慌てて角を曲がると、バスが来る気配なんてこれっぽっちもない。
「うそだよ〜(笑)」
もう!!那智さんったら!!!
バリウム検査のときだって、クラリスのときだって、ホテルの廊下だって、どれもこれも『からかって遊ぶ』という行為だけとれば、父のそれと似ている。
岩月健司さんの著書とは違う。
まあ、そんなのは当たり前で、書いてあることがすべて正解ではないものね。
わたしの場合は。
本質はまったく『父』とは違う那智さんに。
『父』と似た行為をされている。
それで幸せを感じているのだ。(けっこう、このじゃれ合いっこはわたしたちの『核』だったりする)
わたしは。
ゴキブリを見せる父に「やめて!」と訴え、「本気にしないの〜」って笑ってほしかったのかもしれない。
電車で降りないふりをして「でも、一緒に帰ろうね」と最後は手を繋いでほしかったのかもしれない。
虎を威嚇する行為を、別な『りん子を楽しませる』行為に代えてほしかったのかもしれない。
幼い頃したかった、安心の上に成り立つじゃれ合いっこを、『父』と似た方法で那智さんとしているのかもしれないなと思うのだ。
那智さんは聖人君子でもないし、神様でもない。
『ダメ父』と違うからといって、完璧な男性ということでもない。
だから、天の邪鬼さんだし、わたしをからかって遊ぶ、驚かないとエスカレートしたりもする^^;
だけど、どうやら、それはわたしにとっては、『価値がある』と思えることの他に、もうひとつの埋めたいことだったみたいなのだ。
それが。
本質はまったく『父』とは違う那智さんに。
『父』と似た行為をされる。
こういう形になって現れているのではないだろうか。
だから、那智さんは聖人君子でもなんでもない。
だけど、わたしには、とてもとても『合っている』と思うのだ。
いつも思う。
自分の心、望みや欲求を知ることは、なんて面白いのだろう。
そして、それを見つけると、何か叶う道に繋がるような気がする。
先日読んだ小説で。
『私たちはなぜ年を重ねるのだろう』っていう言葉があった。
『また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。』と。
わたしは年を重ね、新しいわたしに出会う。
そして、欲しかったものを手に入れる。
那智さんと会話し、こうやって言語化することで新しいわたしが縁取られる。
年を重ねるのも悪くないなぁと、ブログを続けながら思うのだ。
ところで、虎の檻で威嚇する父の周りに人だかりができて『怖くて、とても恥ずかしかった』って。
人前で『怖くて、恥ずかしいこと』してません?わたしたち。
こじつけるのが好きなわたしは、『これも埋める行為か!?』と思うのでした^^
モンスターを抱きしめて
独特な幸福感
待合室のような広い空間。
壁に寄せるように置かれた長椅子にわたしを含めて3人の女性が座っている。
二人ともわたしよりも若い子。
ちょっと派手めな服装、二人で談笑している。
なぜ笑っていられるんだろ?
その疑問が先に湧いて、いま自分の置かれている状況を思い出す。
なぜ笑っていられるんだろ?…これから売られるというのに。
そうだ、わたしはいま、わたしを買う男性をここで待っているんだ。
それを思い出して、一層彼女たちの笑い声が空しく恐ろしいものに感じて、顔を隠すように体を縮める。
男性が近づいて来た。
わたしの隣の女性を指名して、その娘を連れてどこかへ消えた。
もっと怖くなって椅子で膝を抱えてうずくまる。
一人分ぽっかり空いた向こうにいる女性も次に来た男性が連れて行った。
一人残ったわたし。
このまま何も起こらないでほしいと願う。
でも一方で『若い子のほうが人気あるのかな、わたし、いろいろできるのに』なんて思ったりしている^^;
ふと、自分がブラジャーをしていないことに気づく。
抱えた膝に当たる柔らかい乳房。
何か、この事態を『嫌がっていない』象徴に感じられて、自分に驚く。
男性は目の前に現れた。
「ああ、あなたが残っていてよかった。」
わたしより、少し若く見える男性がそう言った。
「さあ、立って。」
この人がわたしを買ったんだ。
いやな感じの人じゃなくて、少しホッとする。
手を引かれて、たくさんある部屋のドアのひとつを開けた。
「先客がいるな、でも、それもいいかも。」
先に部屋に入った男性が、わたしを招き入れる。
コンクリートの打ちっぱなしの部屋には、最初に連れて行かれた子がいた。
一緒のはずの男性の気配はない。
その子は全裸で両足を拘束され天井から吊られていた。
といっても、上半身は床に付いていたので下半身だけ宙に浮いている状態だった。
いやな臭いが充満していた。
彼女の口から髪にかけて吐瀉物が広がっている。
吐いたんだ。
その吐瀉物が喉に詰まったのか、白目を剥いて意識がない。
ちゃんと呼吸できているだろうか。
気になるけど、それにしても吐瀉物の臭いがきつい。
この部屋に長くはいたくない。
「お願いします。部屋を変えてくれませんか。この臭いはつらいです。」
彼女の安否を気にしながらも、わたしは自分のことで精一杯だ。
「わかった。」
部屋を出た。
乳房が揺れる。
この人はわたしが下着を着けていないことを知らないのかな。
わずかに、ごくわずかに残念に思う。
服に当たる乳首が、何かに反応しているみたいだった。
次の部屋へ向かいながら。
さっきの子の様子が気になる。
待っている間に聞こえてきた会話では、ここの『バイト』は大したことないと言っていた。
どうやら中身がわかっていない様子だった。
それで、あの状態。
さぞかし怖かっただろうと、不憫に思う。
もう一人の子はどこに行ったのだろう。
連れて行った男性の様子を思い出して、酷いことになっていなければいいなと思う。
部屋を変えてもらえてよかった。
あの臭いの中じゃないだけでも「まし』だと思わなきゃ。
彼女ほど、酷いことにならないといいな。
人って、最悪を見ると、それより『まし』なだけで、良しとしてしまえるものなんだなぁと自分自身に妙に感心してしまう。
「じゃあ、ここにしよう。」
木製のドアを開けると。
天井がそれほど高くない狭い部屋。
マットレスが床一面に敷かれていて、壁際にはクッションが並んでいる。
さっきの部屋に比べると、ずいぶん穏やかな雰囲気だ。
穏やかじゃないのは。
その狭い部屋に数人の男性がいたことだった。
そして、みんな洋服を着ていないことだった。
「さあ、入って。」
促されるままに部屋に入る。
わたしを買った男性が、座るわたしの背後から手を回し。
「こいつはノーブラなんですよ。ちゃんとわかってますから、みなさん、好きにしてください。」
そういって乳房を愛撫した。
ああ、知っていたんだ。
なんだかとても恥ずかしい。
一人の男性が髪を掴み股間に顔を埋めさせる。
下半身を違う誰かが触り出した。
那智さんにするように。
でも、心は込めないんだ。
でも丁寧に上下させる、早くいかせるために。
「ああ、うまいな。」
当たり前だ。
那智さんを喜ばせてあげられているんだから。
と、不思議な自負。
早くいくよういに。
さっきの子みたいに酷いことにならないように。
さっきの子は明日のわたしかもしれない。
生きて帰れるように。
丁寧に、心は込めず、那智さんを思って一心不乱に口を使った。
だけど、わたしは気づいている。
椅子で待っているときからずっと、心の奥底ではわずかに『ワクワク』したいたこと。
とてもリアルな夢だった。
目が覚めて。
吐瀉物の臭いが生々しく残り、臭いを感じる夢もあるんだな〜と変なところに感心する。
吐瀉物の臭いと一緒に『ワクワク』まで残っている。
他の人もこういう夢を見るものなのだろうか。
この手の『アブノーマルの宝石箱やぁ(@彦摩呂^^)』みたいな夢をみるたび、とても困惑する。
オナニーや普通のセックスをするだけでは、満足できそうにないのがわかるから。
そして、地を這うように心の底で『ワクワク』しているから。
わたしはずっとこの『ワクワク』を持て余している。
那智さんに鎮めてもらっているので、普段は形を潜めているけど。
ときどき持て余してしまう、モンスター。
この夢だって、モンスターだって、他人からしてみたら大したことないかもしれないけれど、わたしには大きな困惑なんだ、だから、ずっと昔からずっと困っていた。
自分の手でこのモンスターを鎮めることは、難しい。
どこから着手いいかもわからないし、とても怖いし、きっとただの傷になるだけだ。
だから、那智さんにお願いする。
夢をそのままなぞるようなことだけしても傷つきそう。
だけど、モンスターが『ワクワク』しちゃってます。
どうか、わたしが傷つかない方法でこいつを鎮めてください。
あなただけの方法で、どうか鎮めてください。
那智さんにしかできない。
父性やら何やらを埋めてもらっているけれど、このモンスターを『よしよし』と鎮めることも那智さんにしかできないこと。
唯一とか絶対とか、自分の心に嘘をつきたくないから、できるだけ使わないようにしている。
だけど、こういうとき、思う。
那智さんがいてくれないと、わたしどうやって生きていけばいいかわからなくて途方に暮れてしまう、って。
待合室のような広い空間。
壁に寄せるように置かれた長椅子にわたしを含めて3人の女性が座っている。
二人ともわたしよりも若い子。
ちょっと派手めな服装、二人で談笑している。
なぜ笑っていられるんだろ?
その疑問が先に湧いて、いま自分の置かれている状況を思い出す。
なぜ笑っていられるんだろ?…これから売られるというのに。
そうだ、わたしはいま、わたしを買う男性をここで待っているんだ。
それを思い出して、一層彼女たちの笑い声が空しく恐ろしいものに感じて、顔を隠すように体を縮める。
男性が近づいて来た。
わたしの隣の女性を指名して、その娘を連れてどこかへ消えた。
もっと怖くなって椅子で膝を抱えてうずくまる。
一人分ぽっかり空いた向こうにいる女性も次に来た男性が連れて行った。
一人残ったわたし。
このまま何も起こらないでほしいと願う。
でも一方で『若い子のほうが人気あるのかな、わたし、いろいろできるのに』なんて思ったりしている^^;
ふと、自分がブラジャーをしていないことに気づく。
抱えた膝に当たる柔らかい乳房。
何か、この事態を『嫌がっていない』象徴に感じられて、自分に驚く。
男性は目の前に現れた。
「ああ、あなたが残っていてよかった。」
わたしより、少し若く見える男性がそう言った。
「さあ、立って。」
この人がわたしを買ったんだ。
いやな感じの人じゃなくて、少しホッとする。
手を引かれて、たくさんある部屋のドアのひとつを開けた。
「先客がいるな、でも、それもいいかも。」
先に部屋に入った男性が、わたしを招き入れる。
コンクリートの打ちっぱなしの部屋には、最初に連れて行かれた子がいた。
一緒のはずの男性の気配はない。
その子は全裸で両足を拘束され天井から吊られていた。
といっても、上半身は床に付いていたので下半身だけ宙に浮いている状態だった。
いやな臭いが充満していた。
彼女の口から髪にかけて吐瀉物が広がっている。
吐いたんだ。
その吐瀉物が喉に詰まったのか、白目を剥いて意識がない。
ちゃんと呼吸できているだろうか。
気になるけど、それにしても吐瀉物の臭いがきつい。
この部屋に長くはいたくない。
「お願いします。部屋を変えてくれませんか。この臭いはつらいです。」
彼女の安否を気にしながらも、わたしは自分のことで精一杯だ。
「わかった。」
部屋を出た。
乳房が揺れる。
この人はわたしが下着を着けていないことを知らないのかな。
わずかに、ごくわずかに残念に思う。
服に当たる乳首が、何かに反応しているみたいだった。
次の部屋へ向かいながら。
さっきの子の様子が気になる。
待っている間に聞こえてきた会話では、ここの『バイト』は大したことないと言っていた。
どうやら中身がわかっていない様子だった。
それで、あの状態。
さぞかし怖かっただろうと、不憫に思う。
もう一人の子はどこに行ったのだろう。
連れて行った男性の様子を思い出して、酷いことになっていなければいいなと思う。
部屋を変えてもらえてよかった。
あの臭いの中じゃないだけでも「まし』だと思わなきゃ。
彼女ほど、酷いことにならないといいな。
人って、最悪を見ると、それより『まし』なだけで、良しとしてしまえるものなんだなぁと自分自身に妙に感心してしまう。
「じゃあ、ここにしよう。」
木製のドアを開けると。
天井がそれほど高くない狭い部屋。
マットレスが床一面に敷かれていて、壁際にはクッションが並んでいる。
さっきの部屋に比べると、ずいぶん穏やかな雰囲気だ。
穏やかじゃないのは。
その狭い部屋に数人の男性がいたことだった。
そして、みんな洋服を着ていないことだった。
「さあ、入って。」
促されるままに部屋に入る。
わたしを買った男性が、座るわたしの背後から手を回し。
「こいつはノーブラなんですよ。ちゃんとわかってますから、みなさん、好きにしてください。」
そういって乳房を愛撫した。
ああ、知っていたんだ。
なんだかとても恥ずかしい。
一人の男性が髪を掴み股間に顔を埋めさせる。
下半身を違う誰かが触り出した。
那智さんにするように。
でも、心は込めないんだ。
でも丁寧に上下させる、早くいかせるために。
「ああ、うまいな。」
当たり前だ。
那智さんを喜ばせてあげられているんだから。
と、不思議な自負。
早くいくよういに。
さっきの子みたいに酷いことにならないように。
さっきの子は明日のわたしかもしれない。
生きて帰れるように。
丁寧に、心は込めず、那智さんを思って一心不乱に口を使った。
だけど、わたしは気づいている。
椅子で待っているときからずっと、心の奥底ではわずかに『ワクワク』したいたこと。
とてもリアルな夢だった。
目が覚めて。
吐瀉物の臭いが生々しく残り、臭いを感じる夢もあるんだな〜と変なところに感心する。
吐瀉物の臭いと一緒に『ワクワク』まで残っている。
他の人もこういう夢を見るものなのだろうか。
この手の『アブノーマルの宝石箱やぁ(@彦摩呂^^)』みたいな夢をみるたび、とても困惑する。
オナニーや普通のセックスをするだけでは、満足できそうにないのがわかるから。
そして、地を這うように心の底で『ワクワク』しているから。
わたしはずっとこの『ワクワク』を持て余している。
那智さんに鎮めてもらっているので、普段は形を潜めているけど。
ときどき持て余してしまう、モンスター。
この夢だって、モンスターだって、他人からしてみたら大したことないかもしれないけれど、わたしには大きな困惑なんだ、だから、ずっと昔からずっと困っていた。
自分の手でこのモンスターを鎮めることは、難しい。
どこから着手いいかもわからないし、とても怖いし、きっとただの傷になるだけだ。
だから、那智さんにお願いする。
夢をそのままなぞるようなことだけしても傷つきそう。
だけど、モンスターが『ワクワク』しちゃってます。
どうか、わたしが傷つかない方法でこいつを鎮めてください。
あなただけの方法で、どうか鎮めてください。
那智さんにしかできない。
父性やら何やらを埋めてもらっているけれど、このモンスターを『よしよし』と鎮めることも那智さんにしかできないこと。
唯一とか絶対とか、自分の心に嘘をつきたくないから、できるだけ使わないようにしている。
だけど、こういうとき、思う。
那智さんがいてくれないと、わたしどうやって生きていけばいいかわからなくて途方に暮れてしまう、って。
彼の名は『那智くん』
独特な幸福感
毎度のくだらないお話。
しかも、今回はちょっと雰囲気を伝えるの難しいかもです。
でも、那智さん、こういう話が好きなんですよね^^;ちょっとお付き合いくださいませ。
普段、感情表現にあまり上下のない那智さん。
その那智さんが、いつもと違う人になってしまうのが『酔っぱらいさん』。
わたしはこの酔っぱらいさんに『朗読奴隷』にさせられたりしている。
このトホホな那智さん。
実はしらふのときにもいたのです。
いままでも、ぼんやり『困ったちゃん』だな〜と感じてはいたのですけど、先日目の当たりにする機会があって、改めて命名することになりました。
その名も『那智くん』。
おもしろいもので、名前を与えるとひとつの人格のようなものができて、もうあの状態は『那智くん』以外の何者でもない^^;
今日はその『那智くん』のお話。
午前中に、ローター仕込んでお散歩やら『ぐずり』やら鞭やらのてんこ盛りで、遅めのお昼にビールなんて飲んじゃって、またホテルに戻ってお風呂もマッサージも射精も終わってしまって、かなりのまったりムード。
サービスタイムの時間まではまだ少しあるから、このまままったりしていようか、それとも少し早めに出てお茶でもしようか。
いつも割と『いっぱいいっぱい』な感じなんだけど、この日はめずらしくお腹いっぱいな空気だった。
「どうする?少し早く出る?」
腕枕をしながら那智さんが聞く。
そういえば、このとき那智さんはマッサージをされながらウトウトしていたんだ。
いつもは、マッサージが終わってわたしも一緒にウトウトするから、この日はその時間分余っちゃったってことだったのかな。
だから、那智さんとしてはすっきりフルコース終了気分だったけど、わたしはウトウトしそびれていたのね。
午前中の怒濤とビールだったから、ちょっとウトウトしたかったわたしはこのまったりもけっこう幸せだった。
だから。
「えっと、わたしはこのままくっついているだけでいいですよ…」
ちょっとうつらうつらしながら、そう答える。(ちょっと寝かせて〜と思いながら)
「そう?」
そう答えると同時に、わたしが顔を埋めていて胸をぐいっと持ち上げ体を起こした。
そして、いきなりわたしの鼻に指を差し込みぐーーーーっと豚鼻にしようとする!!
「な、なにするんですか!?那智さん。」
「いや、別に」
口ではそう言うけれど、指が全然止まってくれない。
逃げるわたしを追う指。
やめてくださいよ〜那智さん、ちょっとゆっくりさせて〜。
「こんなしらふで鼻をされても、全然喜べませんよ〜」
ゆっくりしたいし、萌えないし。
「あ、ちょっとじっとしてて。」
急に動きが止まり、改まって言う。
だから、言うとおりに動きを止める。
いきなり親指と人差し指をわたしの鼻の穴に突っ込んで『うりうり…、グッ』と抜く!!
鼻毛を探って抜こうとしたのだ!!(ちなみに、抜けていません。わたしには鼻毛は存在しなということにしておきます)
「な、なにするんですか!!!!!」
しれっとして、指を見つめる那智さん。
わたしの反応なんておかまいなし。
もう、知らない!!
ちょっとゆっくりしたいわたしは那智さんに背を向けて目を瞑ってうたた寝体勢を作ってしまう。
いつも、わたしが『うたた寝体勢』を作ると、そのまま寝かせてくれるんだ。
そばでタバコを吸ったりコーヒーを飲んだりしながら、その気配を感じながらのウトウトは、もう至福。
だから、このときも、それを狙ってさっさと『うたた寝体勢』。
ところが、この日は違った。
ガシッと肩を掴まれ仰向けに変えられてしまう。
そして、わたしに覆いかぶさり乳首を口に含むのだ。
何?
また、何かはじめるの?
エッチモードに自分の気持ちを傾けるべきか、迷ってしまう。
でも、那智さんの舐めたかが明らかに『テキトー』、まるでやっつけ仕事のようだった。
やーだー、そんなんじゃ全然うれしくなーい。
乳首から口を離す。
また、鼻に指を持ってこようとする。
あ〜、わかった!!
「那智さん、退屈してるの苦手ですよね〜!?」
「ん?」
「那智さん、何にもしないっていうの好きじゃないでしょ?」
「ああ、たしかにそうかも。」
「だから、飽きちゃうと変なテンションでわたしをかまい出すんですよ。いまがそれ!!」
「あはは、なんだ俺、子供?」
「はい、子供みたい。」
「那智くんかぁ!?」
那智さんはときどきこういうテンションになる。
普段わたしをかまうときは、明確なゴールはないにしても何かしらのモチベーションがあるはずなんだ。
りん子を喜ばせたい。
可愛がりたい。
性的な興奮を味わいたい。
たとえ、それが『射精したい』だったとしても、動く動機付けはある。
だけど、この『那智くん』のときにはそれがない。
要するに退屈しているんだ。
退屈しているから、退屈しのぎに『とりあえず』いじくっているわけ。
だから、鼻→鼻毛→乳首→鼻とまったく一貫性がないし、どうしたいのかわからない。
でもって、目的がはっきりしていないから、わたしの反応なんて見ちゃいない。
これはね、ときどき遊園地などに行ったときにも現れるの。
遊園地で遊び、遊園地でわたしで遊んだ後半あたりになると、意味もなく脇をつんっとしたり、スカートをチラッとめくったり、腕をぎゅっとしたり。
そこから先があるわけでもないいじくりがはじまるの。
で、これは『負けず嫌いさん』でもあるのだけど、わたしは辟易すればするほどエスカレートする^^;
目的もなく、ちまちまとわたしにちょっかいを出す那智さんに苦笑しながらお付き合いさせていただくときがあるのですね(後が怖いから、ここは丁寧に^^)
「那智さん、飽きちゃうと、こうなります。」
そこで、ふと思う。
遊園地などでもそうなるのだけど、デートにもわたしにも飽きているわけではないらしいのだ。(楽しんでいるからね)
わたしをかまうことに飽きてしまうみたいなんだ。
普段よく飽きないな〜と感激してしまうくらいたーっぷりかまってくれるのだけど、たまにあまりにもかまい過ぎて、かまうことに飽きちゃうときがあるらしいのです。
ただ、そこが父性要素たっぷりの那智さんの那智さんたる所以で。
かまうことに飽きても、かまうことをやめないのです。
ほら、普通飽きたら、別のことするでしょ?テレビ付けたり携帯いじったり。
それはしない。
お父さんは娘を退屈させちゃいけないという無意識の『父性』なのか、かまい続けるのです。
でも、飽きちゃっているから、ストーリーはないしわけわからない一瞬芸みたいになっちゃうの。
基本かまってちゃんのわたしだから、那智さんがかまってくれることは嬉しい。
だけど、この『那智くん』のときには、どう対処していいかわからなくて困ってしまうのだ。
うるさい蠅を振り払いたくなるけれど、裏を返せば、わたしはかまってほしいわけで。
だから、このときはその飽きちゃっている那智くんにお付き合いするほかないのですね。
なんていうか、お互い無理矢理需要と供給をし続けているみたいな変な状態。
これが『那智くん』。
ということで、そんな分析をした後で、さっきの会話を『那智くん』語に翻訳したものをお届けしてみます。
「どうする?少し早く出る?」
(訳:「ママ〜、お人形遊びあきた〜。お外行く〜。」)
「えっと、わたしはこのままくっついているだけでいいですよ…」
(訳:「はい、はい。でも、ママいま忙しいから、ちょっと待っててね。」)
「そう?」
(訳:「ちぇ〜っ、わかったよ〜。」)
そう答えると同時に、わたしが顔を埋めていて胸をぐいっと持ち上げ体を起こした。
そして、いきなりわたしの鼻に指を差し込みぐーーーーっと豚鼻にしようとする!!
(訳:持っているお人形の足をびーんっと引っ張る)
「な、なにするんですか!?那智さん。」
(訳:「こら、何してるの那智くん!!」)
「いや、別に」
(訳:「だって、ママがまだお人形で遊べっていうから〜」)
口ではそう言うけれど、指が全然止まってくれない。
逃げるわたしを追う指。
(訳:さらにお人形を、ぶんぶん振り回す)
「こんなしらふで鼻をされても、全然喜べませんよ〜」
(訳:「那智くん!!お人形さんがかわいそうでしょ!!」)
「あ、ちょっとじっとしてて。」
(訳:「だって、飽きちゃったんだも〜ん」鼻毛抜き〜)
「な、なにするんですか!!!!!」
(訳:「もう!!那智くん!!お願いだからいいこにしてて〜!!」)
こんな感じなわけですね。
那智さんの名誉のためにもう一度、もう一度言いますけど(笑)
普通、飽きたらかまわないものですよね。
だけど、那智さんは父性たっぷりだから、かまい続けてくれるのです。
これは、なかなかできるもんじゃない。
わたしは、那智さんの『父性』にたくさんたくさん助けてもらってきた。
だから、ときどき現れる『那智くん』は、必要悪(?)だと思って、これからも喜んでお付き合いするのです。
名前を付けると愛着も湧くものね^^
毎度のくだらないお話。
しかも、今回はちょっと雰囲気を伝えるの難しいかもです。
でも、那智さん、こういう話が好きなんですよね^^;ちょっとお付き合いくださいませ。
普段、感情表現にあまり上下のない那智さん。
その那智さんが、いつもと違う人になってしまうのが『酔っぱらいさん』。
わたしはこの酔っぱらいさんに『朗読奴隷』にさせられたりしている。
このトホホな那智さん。
実はしらふのときにもいたのです。
いままでも、ぼんやり『困ったちゃん』だな〜と感じてはいたのですけど、先日目の当たりにする機会があって、改めて命名することになりました。
その名も『那智くん』。
おもしろいもので、名前を与えるとひとつの人格のようなものができて、もうあの状態は『那智くん』以外の何者でもない^^;
今日はその『那智くん』のお話。
午前中に、ローター仕込んでお散歩やら『ぐずり』やら鞭やらのてんこ盛りで、遅めのお昼にビールなんて飲んじゃって、またホテルに戻ってお風呂もマッサージも射精も終わってしまって、かなりのまったりムード。
サービスタイムの時間まではまだ少しあるから、このまままったりしていようか、それとも少し早めに出てお茶でもしようか。
いつも割と『いっぱいいっぱい』な感じなんだけど、この日はめずらしくお腹いっぱいな空気だった。
「どうする?少し早く出る?」
腕枕をしながら那智さんが聞く。
そういえば、このとき那智さんはマッサージをされながらウトウトしていたんだ。
いつもは、マッサージが終わってわたしも一緒にウトウトするから、この日はその時間分余っちゃったってことだったのかな。
だから、那智さんとしてはすっきりフルコース終了気分だったけど、わたしはウトウトしそびれていたのね。
午前中の怒濤とビールだったから、ちょっとウトウトしたかったわたしはこのまったりもけっこう幸せだった。
だから。
「えっと、わたしはこのままくっついているだけでいいですよ…」
ちょっとうつらうつらしながら、そう答える。(ちょっと寝かせて〜と思いながら)
「そう?」
そう答えると同時に、わたしが顔を埋めていて胸をぐいっと持ち上げ体を起こした。
そして、いきなりわたしの鼻に指を差し込みぐーーーーっと豚鼻にしようとする!!
「な、なにするんですか!?那智さん。」
「いや、別に」
口ではそう言うけれど、指が全然止まってくれない。
逃げるわたしを追う指。
やめてくださいよ〜那智さん、ちょっとゆっくりさせて〜。
「こんなしらふで鼻をされても、全然喜べませんよ〜」
ゆっくりしたいし、萌えないし。
「あ、ちょっとじっとしてて。」
急に動きが止まり、改まって言う。
だから、言うとおりに動きを止める。
いきなり親指と人差し指をわたしの鼻の穴に突っ込んで『うりうり…、グッ』と抜く!!
鼻毛を探って抜こうとしたのだ!!(ちなみに、抜けていません。わたしには鼻毛は存在しなということにしておきます)
「な、なにするんですか!!!!!」
しれっとして、指を見つめる那智さん。
わたしの反応なんておかまいなし。
もう、知らない!!
ちょっとゆっくりしたいわたしは那智さんに背を向けて目を瞑ってうたた寝体勢を作ってしまう。
いつも、わたしが『うたた寝体勢』を作ると、そのまま寝かせてくれるんだ。
そばでタバコを吸ったりコーヒーを飲んだりしながら、その気配を感じながらのウトウトは、もう至福。
だから、このときも、それを狙ってさっさと『うたた寝体勢』。
ところが、この日は違った。
ガシッと肩を掴まれ仰向けに変えられてしまう。
そして、わたしに覆いかぶさり乳首を口に含むのだ。
何?
また、何かはじめるの?
エッチモードに自分の気持ちを傾けるべきか、迷ってしまう。
でも、那智さんの舐めたかが明らかに『テキトー』、まるでやっつけ仕事のようだった。
やーだー、そんなんじゃ全然うれしくなーい。
乳首から口を離す。
また、鼻に指を持ってこようとする。
あ〜、わかった!!
「那智さん、退屈してるの苦手ですよね〜!?」
「ん?」
「那智さん、何にもしないっていうの好きじゃないでしょ?」
「ああ、たしかにそうかも。」
「だから、飽きちゃうと変なテンションでわたしをかまい出すんですよ。いまがそれ!!」
「あはは、なんだ俺、子供?」
「はい、子供みたい。」
「那智くんかぁ!?」
那智さんはときどきこういうテンションになる。
普段わたしをかまうときは、明確なゴールはないにしても何かしらのモチベーションがあるはずなんだ。
りん子を喜ばせたい。
可愛がりたい。
性的な興奮を味わいたい。
たとえ、それが『射精したい』だったとしても、動く動機付けはある。
だけど、この『那智くん』のときにはそれがない。
要するに退屈しているんだ。
退屈しているから、退屈しのぎに『とりあえず』いじくっているわけ。
だから、鼻→鼻毛→乳首→鼻とまったく一貫性がないし、どうしたいのかわからない。
でもって、目的がはっきりしていないから、わたしの反応なんて見ちゃいない。
これはね、ときどき遊園地などに行ったときにも現れるの。
遊園地で遊び、遊園地でわたしで遊んだ後半あたりになると、意味もなく脇をつんっとしたり、スカートをチラッとめくったり、腕をぎゅっとしたり。
そこから先があるわけでもないいじくりがはじまるの。
で、これは『負けず嫌いさん』でもあるのだけど、わたしは辟易すればするほどエスカレートする^^;
目的もなく、ちまちまとわたしにちょっかいを出す那智さんに苦笑しながらお付き合いさせていただくときがあるのですね(後が怖いから、ここは丁寧に^^)
「那智さん、飽きちゃうと、こうなります。」
そこで、ふと思う。
遊園地などでもそうなるのだけど、デートにもわたしにも飽きているわけではないらしいのだ。(楽しんでいるからね)
わたしをかまうことに飽きてしまうみたいなんだ。
普段よく飽きないな〜と感激してしまうくらいたーっぷりかまってくれるのだけど、たまにあまりにもかまい過ぎて、かまうことに飽きちゃうときがあるらしいのです。
ただ、そこが父性要素たっぷりの那智さんの那智さんたる所以で。
かまうことに飽きても、かまうことをやめないのです。
ほら、普通飽きたら、別のことするでしょ?テレビ付けたり携帯いじったり。
それはしない。
お父さんは娘を退屈させちゃいけないという無意識の『父性』なのか、かまい続けるのです。
でも、飽きちゃっているから、ストーリーはないしわけわからない一瞬芸みたいになっちゃうの。
基本かまってちゃんのわたしだから、那智さんがかまってくれることは嬉しい。
だけど、この『那智くん』のときには、どう対処していいかわからなくて困ってしまうのだ。
うるさい蠅を振り払いたくなるけれど、裏を返せば、わたしはかまってほしいわけで。
だから、このときはその飽きちゃっている那智くんにお付き合いするほかないのですね。
なんていうか、お互い無理矢理需要と供給をし続けているみたいな変な状態。
これが『那智くん』。
ということで、そんな分析をした後で、さっきの会話を『那智くん』語に翻訳したものをお届けしてみます。
「どうする?少し早く出る?」
(訳:「ママ〜、お人形遊びあきた〜。お外行く〜。」)
「えっと、わたしはこのままくっついているだけでいいですよ…」
(訳:「はい、はい。でも、ママいま忙しいから、ちょっと待っててね。」)
「そう?」
(訳:「ちぇ〜っ、わかったよ〜。」)
そう答えると同時に、わたしが顔を埋めていて胸をぐいっと持ち上げ体を起こした。
そして、いきなりわたしの鼻に指を差し込みぐーーーーっと豚鼻にしようとする!!
(訳:持っているお人形の足をびーんっと引っ張る)
「な、なにするんですか!?那智さん。」
(訳:「こら、何してるの那智くん!!」)
「いや、別に」
(訳:「だって、ママがまだお人形で遊べっていうから〜」)
口ではそう言うけれど、指が全然止まってくれない。
逃げるわたしを追う指。
(訳:さらにお人形を、ぶんぶん振り回す)
「こんなしらふで鼻をされても、全然喜べませんよ〜」
(訳:「那智くん!!お人形さんがかわいそうでしょ!!」)
「あ、ちょっとじっとしてて。」
(訳:「だって、飽きちゃったんだも〜ん」鼻毛抜き〜)
「な、なにするんですか!!!!!」
(訳:「もう!!那智くん!!お願いだからいいこにしてて〜!!」)
こんな感じなわけですね。
那智さんの名誉のためにもう一度、もう一度言いますけど(笑)
普通、飽きたらかまわないものですよね。
だけど、那智さんは父性たっぷりだから、かまい続けてくれるのです。
これは、なかなかできるもんじゃない。
わたしは、那智さんの『父性』にたくさんたくさん助けてもらってきた。
だから、ときどき現れる『那智くん』は、必要悪(?)だと思って、これからも喜んでお付き合いするのです。
名前を付けると愛着も湧くものね^^