ついにデビュー!?2
独り言
「ささっ、りん子さん、乗りましょ♪」
学校を出たてのような若い女性のインストラクター。
きっと体育関係の学校に行っていたんだろうな〜、おしゃれよりもカツ丼って感じの男の子みたいなインストラクター。
彼女に促されて歩きはじめた。
足は動いているのだけど、心は重い。
ほんとに?ほんとに、乗るの?
あの跨がって下半身をゆさゆさする「ロデオ○○」へ!?
いやだと言えない。
恥ずかしい以外の確固たる拒否の理由が浮かばない。
もう一回、苦し紛れに「ほんとに効くの〜?」と聞いてみる。
「まあ、乗らないよりはまし、ですかね〜。でも、継続して乗ることをお勧めします。」
拒否どころか、逆に継続を勧められてしまった…。
早く、一歩でも早く断らないと、どんどん断れなくなってくる。
いや、こちらがお客さんなんだから、どのタイミングで断っても、それ以前に断ること自体なんにも問題ないのだ。
でも、なぜ断れないのだろう。
過剰な、自意識と羞恥心と、こんなところでも「相手の評価を気にする」悪いところ。
簡単じゃないか、理由なんてなんでもいい、言わなくてもいいの。
「やっぱり、やめる」それだけでいいのに!!
思いと裏腹にどんどんロデオ○○が近付いてくる。
インストラクターがなにか説明しながらマシンの前に一歩先に到着。
ああ、もう、だめ。
わたしの、もうひとつの悪いところ。
「諦めが早い」
だめ!!と心の中でぶんぶんと首を振りながら、悪いわたしが「しょうがない…」と思ってしまうのだ。
気持ちうつむいていた顔を上げると、最前列に男性がふたりだけ乗ってる。
もっといっぱいいるほうが埋没できるのに…。(すんごい自意識!!)
「じゃあ、説明しますから、りん子さん、乗ってください。」
きらり〜んと輝く笑顔で、前から3列目の左から2番目を勧められた。
乗るの?
だめ、乗っちゃ!!
抵抗虚しく、諦めの早いわたしは言われるままに、跨がる。
あああああああ、とうとう、ロデオ○○に跨がってしまった!!
あれが登場して数ヶ月、「あれにだけは絶対乗らないと、どんなに効果があってもあれに乗って腰を振る自分を許しちゃいけない、なにか大事なものを捨ててしまうようだもの。」そう思っていた、あれに跨がってしまった。
顔、上げられない。
絶対、顔赤い。
赤面してることが、すでに恥ずかしい。
「まず、これがスタートです。」
そういって、スタートボタンを押させれてしまった。
「ぅお〜〜ん、ぅお〜〜ん」
ぎゃーーーーーー、揺れてるぅぅぅぅぅ。
「なるべく、上半身は動かさないように。そうですね、頭にコップを載せてるイメージで」
ああ、はい、コップね…。(ぅおん、ぅおん)
こらこら、いいから、コップ載せないで。
つい、指導通りに。頭にコップを想像して姿勢を正す自分にツッコミ。
その説明をはじめてすぐ、隣りに女性が来た。
右には二台あるのに、一台空けずになぜかすぐ隣りに来た。
ヒョウ柄のTシャツを来たちょっと派手目なおばさま、そのまま近所のスナックでお仕事できそうな雰囲気。
そのスナックのママさんが説明を受けてるわたしをちらりと覗き。
「あら♪あなたもするのね♪」と言わんばかりの微笑みをたたえて、いるよういに感じて、さらにうつむく。
「こちらが、早さを調節するボタンです。最初は『遅い』になってますから、『早い』を押すと早くなっていきます。」(ピ、ピ、ピ)
「ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん」
あああああ、ちょっと早くなった。
もう、されるがまま状態。
「ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ」
と、隣りのママさん、すごい、どんだけスピードアップ!?
「ぐあん、ぐあん、ぐあん、ぐあん」
視界の隅に、激しく揺れるママ。
「遅いほうが骨盤矯正に、早くなればなるほど有酸素運動とお腹周りに効きます。りん子さん最初だから、これくらいにしますか?」
「ぁ…、はい…」
声にならない声で答える。
恥ずかしいのには変わりない、でも、なんだか現実逃避。
これに乗ってるのはわたしじゃない、わたしじゃない、だから、速度調整なんてしない。
もう、なにもかも、自分を見て見ぬ振り。
「じゃ、頑張ってくださいね!!」
「あっ!!やめるにはこれを押せばいいの?」
一分一秒でも早く解放されるには、これだけは聞いておかなければ!!
停止ボタンを指差して、この日一番の積極的な発言。
「15分したら、自動に止まります^^」
自動で止まる…。
ということは、15分乗らないといけない…。
いや、途中で止めてもいいのでしょうけど、そうしたらすぐあとからはじめたママさんが「あれ?もうやめちゃうの?恥ずかしいのね♪」なーんて思うかもしれない。
だって、自動で止まるものを途中で止めるだもの、そう思うかもしれない。(思わないよね…?)
そこから、わたしの地獄の15分がはじまった。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
恥ずかしい、うつむきたい、でも、恥ずかしそうにしてることが恥ずかしい。
微妙な角度でうつむきながら揺れる。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
あ、コップね、コップ、頭に載せて。
いや、そんなことに神経行かなくても…。
時折、あわよくば骨盤矯正を目論むわたしにつっこむわたし。(っていうか、それが本来の目的)
操作パネルに15から3分刻みで0までメモリあって、それが点滅しながらいま何分くらい経過してるのか教えてくれてる。
長い。
ぜんぜん、15から12に変わってくれない。
その点滅を凝視して、無心になるように心のスイッチを切ってみる。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
…切れない。
だめ、恥ずかしくて、だんだんヘロヘロになってきちゃう。
最前列、男性ふたりの横に女性が座った。
多分わたしと同世代、女性らしい体型が後ろ姿からもわかる。(ちょっと可愛らしい感じ)
薄紫のピッタリとしたTシャツに濃い紫のパンツ。
その女性が、すごいスピードに設定してる。
ママさんより早い。
「がこっ、がこっ、がこっ、がこっ」
もう上半身固定なんて無視。
揺れまくってる。
いやぁ、なんで、わたしがこんなに恥ずかしいの!!!!
しかも、なにやらストレッチらしきものもはじめて、腕を上げたり組んだりしてる。
それが揺れてるもんだから、しなって見えて、もう悶えてるようにしか見えない!!!!
っていうか、それにしか見えないわたしが情けない…。
変な汗をかき体が熱くなってきたころ、地獄の15分が終了した。
この汗と火照りは、フィットネス効果なのかどうかはわからない。
でも、もし、ほんとに効果があったとしても、やっぱり、もう絶対乗らないと心に誓う。
そんなの乗る前から、わかるだろっ!!と、また自分につっこみながら、その日のメニューをすべて終了して、ハンコをもらって帰るのでした。
それにしても。
たかが「ロデオ○○に乗って恥ずかしかった」というだけのことを、こんなに長く2回に分けて書くなんて、わたしってとても大げさだと思う。
でも、起こってることは嘘じゃないし、感じていることもほんとのこと。
ということは、わたしはいろんなことが「過剰」なんだなと、書きながら思った。
過剰に意識し、過剰に恥ずかしがり、過剰に反応する。
こんなふうだから、わたしは頭の中でいつも「ぐるぐる」してるのだ。
感受性が豊かというと可愛らしいけど、もっと手に負えない感じの「過剰」。
その過剰がこんなに大げさなものになってしまっているのですね。
だから、那智さんに言わせると「1cmのことを3mに書く」ということなのですが、どれも嘘じゃなくてわたし「過剰」のせい。
「ロデオ○○に乗って恥ずかしかった」ということでこれだけ「ぐるぐる」になるのは、いちいち大変。
おもしろいけど疲れます(笑)
ああ、でも、今回わかったことは「過剰」よりも「諦めが早い」ことのほうが、問題かもしれない^^;
「ささっ、りん子さん、乗りましょ♪」
学校を出たてのような若い女性のインストラクター。
きっと体育関係の学校に行っていたんだろうな〜、おしゃれよりもカツ丼って感じの男の子みたいなインストラクター。
彼女に促されて歩きはじめた。
足は動いているのだけど、心は重い。
ほんとに?ほんとに、乗るの?
あの跨がって下半身をゆさゆさする「ロデオ○○」へ!?
いやだと言えない。
恥ずかしい以外の確固たる拒否の理由が浮かばない。
もう一回、苦し紛れに「ほんとに効くの〜?」と聞いてみる。
「まあ、乗らないよりはまし、ですかね〜。でも、継続して乗ることをお勧めします。」
拒否どころか、逆に継続を勧められてしまった…。
早く、一歩でも早く断らないと、どんどん断れなくなってくる。
いや、こちらがお客さんなんだから、どのタイミングで断っても、それ以前に断ること自体なんにも問題ないのだ。
でも、なぜ断れないのだろう。
過剰な、自意識と羞恥心と、こんなところでも「相手の評価を気にする」悪いところ。
簡単じゃないか、理由なんてなんでもいい、言わなくてもいいの。
「やっぱり、やめる」それだけでいいのに!!
思いと裏腹にどんどんロデオ○○が近付いてくる。
インストラクターがなにか説明しながらマシンの前に一歩先に到着。
ああ、もう、だめ。
わたしの、もうひとつの悪いところ。
「諦めが早い」
だめ!!と心の中でぶんぶんと首を振りながら、悪いわたしが「しょうがない…」と思ってしまうのだ。
気持ちうつむいていた顔を上げると、最前列に男性がふたりだけ乗ってる。
もっといっぱいいるほうが埋没できるのに…。(すんごい自意識!!)
「じゃあ、説明しますから、りん子さん、乗ってください。」
きらり〜んと輝く笑顔で、前から3列目の左から2番目を勧められた。
乗るの?
だめ、乗っちゃ!!
抵抗虚しく、諦めの早いわたしは言われるままに、跨がる。
あああああああ、とうとう、ロデオ○○に跨がってしまった!!
あれが登場して数ヶ月、「あれにだけは絶対乗らないと、どんなに効果があってもあれに乗って腰を振る自分を許しちゃいけない、なにか大事なものを捨ててしまうようだもの。」そう思っていた、あれに跨がってしまった。
顔、上げられない。
絶対、顔赤い。
赤面してることが、すでに恥ずかしい。
「まず、これがスタートです。」
そういって、スタートボタンを押させれてしまった。
「ぅお〜〜ん、ぅお〜〜ん」
ぎゃーーーーーー、揺れてるぅぅぅぅぅ。
「なるべく、上半身は動かさないように。そうですね、頭にコップを載せてるイメージで」
ああ、はい、コップね…。(ぅおん、ぅおん)
こらこら、いいから、コップ載せないで。
つい、指導通りに。頭にコップを想像して姿勢を正す自分にツッコミ。
その説明をはじめてすぐ、隣りに女性が来た。
右には二台あるのに、一台空けずになぜかすぐ隣りに来た。
ヒョウ柄のTシャツを来たちょっと派手目なおばさま、そのまま近所のスナックでお仕事できそうな雰囲気。
そのスナックのママさんが説明を受けてるわたしをちらりと覗き。
「あら♪あなたもするのね♪」と言わんばかりの微笑みをたたえて、いるよういに感じて、さらにうつむく。
「こちらが、早さを調節するボタンです。最初は『遅い』になってますから、『早い』を押すと早くなっていきます。」(ピ、ピ、ピ)
「ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん」
あああああ、ちょっと早くなった。
もう、されるがまま状態。
「ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ」
と、隣りのママさん、すごい、どんだけスピードアップ!?
「ぐあん、ぐあん、ぐあん、ぐあん」
視界の隅に、激しく揺れるママ。
「遅いほうが骨盤矯正に、早くなればなるほど有酸素運動とお腹周りに効きます。りん子さん最初だから、これくらいにしますか?」
「ぁ…、はい…」
声にならない声で答える。
恥ずかしいのには変わりない、でも、なんだか現実逃避。
これに乗ってるのはわたしじゃない、わたしじゃない、だから、速度調整なんてしない。
もう、なにもかも、自分を見て見ぬ振り。
「じゃ、頑張ってくださいね!!」
「あっ!!やめるにはこれを押せばいいの?」
一分一秒でも早く解放されるには、これだけは聞いておかなければ!!
停止ボタンを指差して、この日一番の積極的な発言。
「15分したら、自動に止まります^^」
自動で止まる…。
ということは、15分乗らないといけない…。
いや、途中で止めてもいいのでしょうけど、そうしたらすぐあとからはじめたママさんが「あれ?もうやめちゃうの?恥ずかしいのね♪」なーんて思うかもしれない。
だって、自動で止まるものを途中で止めるだもの、そう思うかもしれない。(思わないよね…?)
そこから、わたしの地獄の15分がはじまった。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
恥ずかしい、うつむきたい、でも、恥ずかしそうにしてることが恥ずかしい。
微妙な角度でうつむきながら揺れる。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
あ、コップね、コップ、頭に載せて。
いや、そんなことに神経行かなくても…。
時折、あわよくば骨盤矯正を目論むわたしにつっこむわたし。(っていうか、それが本来の目的)
操作パネルに15から3分刻みで0までメモリあって、それが点滅しながらいま何分くらい経過してるのか教えてくれてる。
長い。
ぜんぜん、15から12に変わってくれない。
その点滅を凝視して、無心になるように心のスイッチを切ってみる。
ぐぉ〜ん、ぐぉ〜ん
…切れない。
だめ、恥ずかしくて、だんだんヘロヘロになってきちゃう。
最前列、男性ふたりの横に女性が座った。
多分わたしと同世代、女性らしい体型が後ろ姿からもわかる。(ちょっと可愛らしい感じ)
薄紫のピッタリとしたTシャツに濃い紫のパンツ。
その女性が、すごいスピードに設定してる。
ママさんより早い。
「がこっ、がこっ、がこっ、がこっ」
もう上半身固定なんて無視。
揺れまくってる。
いやぁ、なんで、わたしがこんなに恥ずかしいの!!!!
しかも、なにやらストレッチらしきものもはじめて、腕を上げたり組んだりしてる。
それが揺れてるもんだから、しなって見えて、もう悶えてるようにしか見えない!!!!
っていうか、それにしか見えないわたしが情けない…。
変な汗をかき体が熱くなってきたころ、地獄の15分が終了した。
この汗と火照りは、フィットネス効果なのかどうかはわからない。
でも、もし、ほんとに効果があったとしても、やっぱり、もう絶対乗らないと心に誓う。
そんなの乗る前から、わかるだろっ!!と、また自分につっこみながら、その日のメニューをすべて終了して、ハンコをもらって帰るのでした。
それにしても。
たかが「ロデオ○○に乗って恥ずかしかった」というだけのことを、こんなに長く2回に分けて書くなんて、わたしってとても大げさだと思う。
でも、起こってることは嘘じゃないし、感じていることもほんとのこと。
ということは、わたしはいろんなことが「過剰」なんだなと、書きながら思った。
過剰に意識し、過剰に恥ずかしがり、過剰に反応する。
こんなふうだから、わたしは頭の中でいつも「ぐるぐる」してるのだ。
感受性が豊かというと可愛らしいけど、もっと手に負えない感じの「過剰」。
その過剰がこんなに大げさなものになってしまっているのですね。
だから、那智さんに言わせると「1cmのことを3mに書く」ということなのですが、どれも嘘じゃなくてわたし「過剰」のせい。
「ロデオ○○に乗って恥ずかしかった」ということでこれだけ「ぐるぐる」になるのは、いちいち大変。
おもしろいけど疲れます(笑)
ああ、でも、今回わかったことは「過剰」よりも「諦めが早い」ことのほうが、問題かもしれない^^;
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